《ブラジル》下院が今日、2度目のテメル大統領告発を審議=反対票確保に巨額の議員割当金=連邦政府は阻止に自信も=投票結果判明は25日夜か
今日25日は、下院本会議でテメル大統領に対する2度目の告発受け入れに関する審議と投票が行われるが、連邦政府側は、様々な直前対策を講じ、23日までに240票ほどの阻止票を獲得したという。24日付現地紙が報じている。
告発回避のためには、下議全体の3分の1以上(172票)の反対票を獲得すればよいが、連邦政府は反対票確保のために、9月14日以降、8億2900万レアルにも及ぶ議員割当金の開放を約束している。
8月に行われた第1回目の告発に関する下院の全体投票の際、連邦政府は連立与党に協力を強く求め、大統領に対して謀反を行った議員には罰則を施すよう促す、などの対策を行った。
だが、前回の謀反議員に対して具体的な罰則が加えられなかったことなどもあり、今回は、共和党(PR)や社会民主党(PSD)などの党ではこのような約束は取り交わしていない。また、テメル氏自身の民主運動党(PMDB)内部でさえも、謀反を抑えるのが前回よりも難しくなっているという。
そうしたこともあり、テメル大統領は、議員割当金開放の他、環境関連での罰金を60%まで割引すると同時に、これらの罰金を環境回復のために使用することを定めた大統領令を21日に出した。同件は、表向きには投資の活性化を促進し、経済回復に寄与させることを目的としているが、一方では環境部門にたずさわる下院議員目当てだと見る向きも強い。
また、役職割当などによる対策も行っているという。現地紙によると、連邦政府は、前回の投票に参加しなかった進歩党(PP)のロナウド・カルレット下議に対し、同氏の膝元であるバイア州のノルデステ銀行総裁に同氏の息がかかった人物を指名することを約束しているという。
テメル大統領はまた、下議休職中だったテメル政権の閣僚10人を先週中に一時的に解任して下議に復帰させ、議会工作を行わせると同時に投票に参加させるという対策も講じている。
このような対策により、連邦政府としては、第1回目の告発に対する投票の際に獲得した263票には及ばないものの、240票ほどは確保できたと見ている。
25日の下院の全体審議では先ず、ボニファシオ・デ・アンドラーダ下議が、憲政委員会で承認され、24日に朗読された意見書の内容を説明。次いで、テメル大統領とエリゼウ・パジーリャ官房長官、モレイラ・フランコ大統領府事務局長官の弁護士が各々、25分ずつかけて弁護する。
その後に、24日に希望を表明した52人の下議代表が5分ずつ論ずるが、出席が257人を越えた時点で議論を打ち切ることが出来る。投票は342人以上の出席が確認された時点で可能となり、擁護、告発の双方2人ずつの下議が話した後に、一人ずつ呼ばれて投票する。投票結果判明は夜になる見込みだ。