《ブラジル》アマゾナス州=国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)の建物等に放火=取り締まりに怒る金鉱夫により=州南部のウマイター市は警備強化

違法鉱夫の襲撃によって燃やされたIbamaの建物(Marcos Freire)

違法鉱夫の襲撃によって燃やされたIbamaの建物(Marcos Freire)

 27日午後、アマゾナス州南部のウマイター市にある、国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)と、生物の多様性保全のためのシコ・メンデス研究所(ICMBio)の建物が、両機関が行った、マデイラ川での金の違法採掘取り締まりに憤る鉱夫らによって放火されたと27~30日付現地紙・サイトが報じた。
 IbamaがICMBioの支援と海軍や国家治安防衛隊(フォルサ・ナシオナル、FN)の協力を得て25日に決行した、違法な金採掘を取り締まる「オウロ・フィーノ作戦」では、金採掘用の小型船37艘が押収された。
 採掘船を押収されたことに憤った鉱夫たちは、27日にウマイター市内で抗議行動を行った。FNは抗議行動を収束させようとしたが、鉱夫たちとの衝突も起きた。これによってエスカレートした鉱夫たちは、IbamaとICMBioの建物に侵入し、事務所や車、捜索用船舶にも火を放った。この騒ぎで、金採掘船の一部も炎上した。
 鉱夫たちは、アマゾン自然保護研究所(Ipaam)がある国家植民農地改革研究院(INCRA)のビルにも侵入したが、Ipaamへのアクセスを阻止されたので、敷地内に停められていた車に火を放った。
 翌28日夜には、男性2人が逮捕され、36個(35個との報もあり)のチェーンソーや付属の部品などが押収された。現地軍警によると、電動のこぎりは、鉱夫たちが違法な木々の伐採に使っていたが、Ibamaが監査で押収し、保管していたものだ。27日に鉱夫らがIbamaに侵入し、放火した際、この2人が混乱に乗じてIbamaの敷地奥の保管所から盗み出したと見られている。2人はその後釈放された。
 27日にはFNが補強されたが、IbamaとICMBioの職員たちは、安全確保のため、29日未明に3台の車と2艘の船と共にウマイター市を後にした。一行は隣のロンドニア州の州都、ポルト・ベーリョに移った。
 27日は海軍基地も攻撃されかけており、29日には海軍の狙撃隊員35人がアマゾナス州都マナウスから派遣された。事件の捜査は、ポルト・ベーリョの連邦警察が担当している。