《ブラジル》民主社会党(PSDB)の次期党首はジェラウド・アウキミン・サンパウロ州知事が有力=大統領候補と一本化か=14年のアエシオ・ネーヴェスの例に倣う?=ドリアの勢いは党内で後退も

アウキミン氏(Alexandre Carvalho/A2img)

アウキミン氏(Alexandre Carvalho/A2img)

 民主社会党(PSDB)の党首争いが、18年の大統領選出馬を狙っているジェラウド・アウキミン・サンパウロ州知事の線で固まりそうな動きが出ていると、3日付エスタード紙が報じている。

 同党の党首の座は、現在、党首停職中のアエシオ・ネーヴェス氏に代わって代行をつとめているタッソ・ジェレイサッチ上議や、ゴイアス州知事のマルコーニ・ペリーロ氏も狙っているといわれている。
 とりわけ、本人が正式に意向を表明したわけではないものの、タッソ氏の続投を望む声は上院の中では強い。それは同氏が同党重鎮のカルドーゾ元大統領から厚い信頼を得ているためだ。
 だが、タッソ氏、ペリーロ氏ともども、同党での大統領候補に関してはアウキミン氏を支持していることから、いざとなればアウキミン氏にその座を譲るのではないかとの見方が出ている。
 ペリーロ氏の側近は、「アウキミン氏を党首に推す声がPSDB内で強い場合は、ペリーロ氏も党首選出馬の意向取り下げにやぶさかではないだろう」と見ている。
 党首と大統領候補は、必ずしも同一人物である必要はない。だが、14年の大統領選の際にはアエシオ氏が党首になった後、14年の大統領選候補にもなった。党首になれば、選挙戦がはじまる前から党首という肩書で全国を訪問できるため、選挙時には有利になる。このため、同党内部では、アウキミン氏を党首に推す声が強い。とりわけ、下院議員の大半はアウキミン氏を党首に望んでいると言われている。
 タッソ氏も、自身の党首選出馬をめぐっては、「目的は名前を絞ることではなく、党内の意見が一致しているかどうかを見るためだ。もし、党内での見解が一致しているのなら、党首候補はひとりでよい」として、党首をアウキミン氏に一本化することへの抵抗は示していない。
 これらの動きからは、アウキミン氏と大統領候補の座を争うと見られていたジョアン・ドリア氏に対し、内部がそれほど大きく傾いていないことも垣間見られる。
 PSDB下院リーダーのリカルド・トリポリ下議は、「ドリア市長も大統領選にふさわしい名前ではあるが、もう少し時間が必要だ」という見解を表明している。
 さらに、PSDB創設者の一人のマリオ・コーヴァス氏の孫で、サンパウロ市副市長のブルーノ・コーヴァス氏がすでにドリア氏に対し、「サンパウロ州知事に立候補する」ように圧力をかけているという。
 コーヴァス一族の意見はPSDB内では大きく、党内のサンパウロ市市長候補を選ぶ際などにも大きな影響力を持っている。
 PSDBの全国党大会は12月9日に行われ、そこで党首が決まる見込みだ。