第58回海外日系人大会=TOKYO 2020に向け日系パワーを結集!=大会宣言文を掲載 =(上)

23日参加者歓迎交流会に御臨席された秋篠宮同妃両殿下と主催者挨拶をする山田啓二会長(憲政記念館、海外日系人協会提供)

23日参加者歓迎交流会に御臨席された秋篠宮同妃両殿下と主催者挨拶をする山田啓二会長(憲政記念館、海外日系人協会提供)

 10月に東京で開催された第58回海外日系人大会には、世界19カ国から約248人が参加し、「TOKYO 2020に向け日系パワーを結集!」をテーマに3日間、議論を重ねた。その宣言文をここに掲載する。(編集部)

 

 TOKYO 2020に向け日系社会は日本との新たな連携を提案します。第58回海外日系人大会(2017年10月23日~25日開催)に世界各地から参集した日系人は、『TOKYO 2020に向け日系パワーを結集!』を総合テーマに3日間にわたり討議し、以下の7項目からなる決議を本大会の成果として宣言いたします。

 

(1)日系社会との連携に関する日本政府の取り組みに一層期待します

 本年3月に外務大臣の下に「中南米日系社会との連携に関する有識者懇談会」が設置され、5月に報告書が提出されました。
 海外移住審議会が2000年12月に最終意見を提出して以来17年ぶりの日系社会に関する提言でした。
 日本政府が、日系社会の変容について認識し、改めて日本と海外日系社会の在り方について向きあったものと感謝します。
 同報告書は、中南米日系社会を念頭においたものですが、これまで「移住」の延長線上でとらえられてきた日系人・日系社会の重要性を再確認し、「協力」から「連携」へ比重を移すべきであるとの考え方に大いに賛同いたします。
①地域で日系社会が築いた信頼を継承し発展させる、②若い日系社会のリーダーたちとの絆を深める、③日系人が誇りを持てる日本をつくる取り組みを通じて絆を強化する、の3つの基本的な考え方は、中南米のみならず北米、アジア、ヨーロッパの日系社会と日本の関係緊密化の共通基盤となります。
 日本国内に在住する日系人子弟の教育に力を入れることも欠かせません。いまこそ「連携」をキーワードとした幅広い取り組みが全世界の日系人・日系社会との関係において進められることを期待します。(つづく)