アルゼンチン海軍=酸素切れの危機迫る=潜水艦が消息絶ち6日経過

 アルゼンチン海軍の潜水艦ARAサンファンが15日朝、アルゼンチン南部から沖合約430キロ地点で消息を絶ち、同国海軍を中心に7カ国による捜索活動が続いているが、失踪から6日目の21日には米国海軍の潜水艦4隻が新たに投入されたと、同日付現地サイトが報じた。
 アルゼンチン海軍によると、潜水艦には乗組員44人が乗っており、艦内の酸素は最大で7日分しかないという。
 アルゼンチン紙のクラリンによると、21日からは米国海軍に所属する、遠隔操作で動く潜水艦4隻も捜索活動に加わった。
 消息が最後に確認された付近の海域は、週末は8メートルの波を記録するほど荒れていたが、21日は気象も緩やかになり、波の高さは2メートルの予測だ。
 アルゼンチン海軍の広報官は20日夜、捜索エリアで聞こえたという音は、行方不明となった潜水艦が発したものではないと発表した。米軍機が海に放った特殊ブイとアルゼンチンの船2艘がキャッチした音は、居場所を伝える潜水艦からの交信ではないかとの期待も持たれていたが、その後の分析でそうではなかった事が分かった。
 アルゼンチン海軍はその前にも、18日に探知されたという7回の衛星通信の呼び出しは、行方不明の潜水艦からのものではなかったと発表している。
 潜水艦ARAサンフアンは15日朝、アルゼンチン南部のパタゴニア海岸から432キロ離れた地点で海軍基地と交信を行った後、消息を絶った。
 ARAサンファンのオペレーションを基地から指揮するガブリエル・ガレアッツィ氏は、ARAサンファンとの最後の交信について、「潜水艦が浮上し、電気系統の不具合を報告しため、マル・デル・プラタ市の海軍基地に戻るように命じた」と記者団に語った。