東西南北

 昨夜のブラジルはグレミオのリベルタドーレス杯制覇に沸いたが、お膝元のポルト・アレグレでは喜びもひとしお。本拠地のグレミオ・アリーナは試合中からファンでぎゅうぎゅう詰めで、優勝が決まると一斉に涙して喜び、朝が空けるまで飲めや歌えやの大騒ぎだった、それを煽ったのはグレミオ監督のレナト・ガウーショだ。現役時代は派手な言動で知られた同チームのスター選手で、今も絶大な人気を誇るレナトは、優勝インタビューで「市長、すみません。でも、ポルト・アレグレの祝日を私が宣言させていただきます」と言い放った。この監督のファン心理の掴み方のうまさも、グレミオのチーム愛を高める秘訣なのかもしれない。
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 ゴイアス州で、腎臓の病気で人工透析の治療を受けることを拒否し続けている23歳の息子を母親が訴えた結果、裁判所が息子に透析を受け続けることを強制する判決を出すという、異例の裁判があった。この青年は、体内の老廃物や過剰な水分をダイアライザーという機械を通じて排泄する作業を週に4回行うことに耐え切れず、「死ぬのなら自然に死にたい」と主張。母親は「そんな若さでは死なせられない」と反論しているという。複雑なつらい話だ。
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 11月のサンパウロ州の主要3水系の降水量はカンタレイラ水系で163ミリ、アウト・チエテで182ミリ、グアラピランガで139ミリと、いずれもそれぞれの月間平均降水量を超え、なおかつ大きな水害も起きない、ちょうどいい降り方だった。予報によると、12月前年は「平年並」になりそうとのことだが、今の感じが続いてほしい。