愛善ホテル創業20周年=「一つ屋根の下から始まった」

ケーキカットで節目を祝った

ケーキカットで節目を祝った

 ナザレ・パウリスタ郡の長閑な高台に位置し、およそ10アルケールの広大な敷地を有する愛善ホテル(石田王貴人社長)は、『創業20周年式典』を、先月15日、同ホテルで開催した。
 初代経営者の石田顕雄さん(二世、76)は、フォード、GM、VWなどの大手自動車会社で機械技師として働き、定年退職後、4アルケールの土地を購入し、ホテル経営に乗り出した。
 「此処に移ってきた当初は、見渡す限り何もなくて。自分たちが暮らす一軒の家屋しかなかったよ」と感慨深げに語った。その後、経営は軌道に乗り、着々と各種設備を導入。6アルケールの土地を新たに取得し、現在の規模まで拡大した。
 「とにかく喜んでもらいたくて。温泉の設計も自分で勉強し、本格的なものが出来上がったよ」と頷いた。
 石田さんは、60年代に生長の家に入信して以来、講師を務め、アチバイア教化部長を務めた経歴もある。人生訓に関する書籍も複数出版し、企業でも各種講演会を行なうなど、多彩に活動してきた。
 成功の秘訣を聞くと、「何をするにも時間がかかる。やるからにはとことんやらないと」と気概を示し、「このホテルは一つ屋根の下から始まった。息子の王貴人と嫁の良ちゃんの三人で一緒にやってきた。二人はまさに戦友。独りでは何も出来なかった。家族あってこそ」としみじみと語った。
 式典には、ホテル従業員や関係者らおよそ100人が参加。アチバイア文協の川筋清流太鼓による演奏が式典に花を添え、関係者は夜更けるまで懇親を深めた。

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 「世界で二番目に良い気候の町」としてユネスコが指定する町アチバイア。この度、20周年を迎えた愛善ホテルはその隣町に位置する。施設内には、豊かな自然を活かした散策コースや動物との触れ合いから、バレー、サッカー、バドミントンなどの各種運動設備や温水プールやウォータースライダー、さらに、日系人には嬉しい本格的な石造りの温泉や木風呂まで完備。記念日にあわせて今回、マレットゴルフ場も新たに落成。各種設備を楽しめる一日コースも準備されており、繁盛期にはグループ客も多いのだとか。都会の喧騒から離れ、豊かな自然のなかでゆったりと休暇を過ごしてみては?! とはいえ、夏はどこに行くにも蚊に要注意。虫除けスプレーは必須。問合せは、同ホテル(11・3207・8762)まで。