《ブラジル》ガレオン空港で麻薬などの密輸組織摘発=空港職員ら36人を逮捕

 連邦警察が19日、リオ市のトン・ジョビン国際空港(通称ガレオン空港)を舞台に暗躍する、麻薬などの違法商品密輸組織を摘発、空港や国税庁の職員を含む36人を逮捕した他、1人を強制連行し、事情聴取を行ったと同日付現地紙サイトが報じた。
 「ガレオンのマフィア」と呼ばれる犯罪グループが摘発されたきっかけは、今年2月に、バイア州サルバドール行きの便を利用した夫妻の名前を記したトランクがアムステルダムに着き、ガレオンに返送された際、37キロのコカインが隠されているのが発見された事だ。
 連警によると、空港職員や嘱託職員らは、乗客の一人の名前を選んで荷物札を作り、麻薬を入れたトランクに添付。カモフラージュされたトランクの多くは欧州行きの便に載せられていた。
 また、同グループは麻薬密売だけではなく、不法な形での商品密輸や酒類の横流しなどにも加担していたという。空港職員や国税庁職員らは、不正な品が入ったトランクを国内便用のベルトコンベアに移し、国税庁の監査を通らなくて済むように細工。乗客は手荷物だけを持って税関を通った後、空港のロビーや空港外の歩道で、国内便用の荷物の中から取り分けてあった荷物を受け取っていたという。
 空港職員らも加担した組織のメンバーが持ち込みを容易にし、納税義務を免れさせたりしていた品物には、衣類や電化製品、頭髪までが含まれていたという。
 また、空港職員の中には、密輸に絡んだ乗客から賄賂を受け取り、仲間の国税庁職員のところに連れて行っては、不正な品や規定量を超える品を税金や超過料金も取らずに通らせるという形で不正に関与したメンバーもいたという。
 また、機内サービス用のワインや発泡酒、ミニチュアのビン入り酒を横流ししていたグループもあり、酒類を調達する企業の従業員や航空会社職員、警備員などの関与も指摘されている。横流しされた酒類は、あらかじめ決められた業者に売り捌かれていた。
 連警は9月にも、空港職員2人と商品の受け取り手1人を逮捕し、2715本の酒類と車、現金を押収している。