F・ジュリアンの『重いくびきの下で―ブラジル農民解放闘争―』(岩波新書)の書に表徴されるように、ブラジルの北東部、わけても奥地は、旱魃に加えて農園主や地方ボス(コロネル)による搾取と圧政による貧困が絶えず、革命的な文学が生まれ、と同時に社会運動が出来する精神風土があった。 バイーア州奥地を描くエウクリーデス・ダ・クーニャの手 ...
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政治批判を受け止めたリオのカーニバル
14日に行なわれた、今年のリオのカーニバルのスペシャル・グループのパレードの採点結果発表で画期的な出来事が起こった。政治批判を行なって物議を醸したエスコーラ、ベイジャ・フロールが優勝、パライゾ・ド・ツイウチが2位となったのだ▼今回のリオのパレードがこうした内容になることはかねてから言及されていた。だがいざ本番では、それが噂以上 ...
続きを読む »どこから来たの=大門千夏=(40)
第四章 白い霧の夜 誕生日 「行こう行こう、どこでもいいから高ぁーいレストランに行こう」と、電話の向こうに湿った桃子の声。ハハーン夫婦喧嘩をしたな、と私はさっする。 サンパウロにある一番高いレストランに二人で出かける。体は小さいくせに桃子は食欲旺盛。 「要するに私達夫婦は相性が悪いのよ。あの人医者だから、患者の前だけ愛想が ...
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