《ブラジル》サンタカタリーナ州=2日間で2カ月分の雨=死者や行方不明者も出る

 ブラジル南部サンタカタリーナ州では9日から強い雨が続き、洪水や倒木その他の被害が出た市が11日朝までに19市に上ると11日付現地紙サイトが報じた。
 連日の雨がどれほど強かったかは、州都フロリアノポリスでは、11日朝までの48時間で1月の月間平均降水量(190ミリ)の倍以上の400ミリ、10日夜からの12時間では243ミリの雨が降ったという報道からもうかがわれる。
 フロリアノポリスの場合、民家やビルの駐車場が浸水被害に遭い、道路も冠水。公共交通機関にも影響が出ている。同市市役所は10日に、9日までの大雨警報を緊急事態宣言に切り替えた。
 同市ラトネス区では高速道の橋が落ち、一帯が孤立化。カント・ダ・ラゴア区でも消防の救助隊が出動した。また、広域で停電が起きた他、州道406号線などで土砂崩れやアスファルトの陥没などが生じている。
 11日午前10時44分現在、州都以外で被害が出ている市は、インビトゥーバ、ブラッソ・ド・ノルテ、サンジョゼ、サンジョアン・バチスタ、ビグアス、サンフランシスコ・ド・スル、ペーニャ、イタペマ、ポルト・ベロ、バウネアリオ・カンボリウ、イタジャイー、ボンビーニャス、ナヴェガンテス、タイオー、ゴヴェルナドール・セウソ・ラモス、チジュッカスなどだ。
 州防災局によると、同時点までに、103軒の家屋に被害が出ており、390人が退避を余儀なくされるなど、計414人が被災している。
 また、州都近郊のサンジョアン・バチスタ市では、10日に起きた倒木が車庫を直撃し、8歳女児が死亡、13歳の姉が負傷した。11日にはフロリアノポリス市で、59歳の男性が濁流にのまれて頭部を強打。病院に運ばれたが死亡した。
 バウネアリオ・カンボリウでは11日未明、冠水した道路を歩行中、下水溝に落ちた34歳の男性が行方不明になっている。フロリアノポリスでも男性が濁流にのまれたとの目撃通報が寄せられたが、防災局や警察はまだ確認が取れていない。当局は、同様の危険を避けるため、できるだけ外出を避けるよう呼びかけているという。