《サンパウロ黄熱病禍》昨年からの死者が通算36人に=サンパウロ市東部と南部のワクチン開始予定日が、3度目の前倒し

サンパウロ市北部ジャルジン・ペリでワクチン接種に並ぶ人々(参考画像・Rovena Rosa/Agência Brasil)

サンパウロ市北部ジャルジン・ペリでワクチン接種に並ぶ人々(参考画像・Rovena Rosa/Agência Brasil)

 【既報関連】サンパウロ州保健局が19日、2017年1月からこれまでに州内で確認された黄熱病の発生件数が81件、死者が36人に上ったと発表したと、20日付現地各紙が報じた。
 黄熱病の発生もそれによる死者も、一番件数が多いのはサンパウロ市北隣のマイリポラン市で、発生件数が41件、死者の数は14人だった。
 黄熱病予防ワクチンは、黄熱病ウィルスそのものから作る生ワクチンのため、副作用の危険性と無縁ではなく、これまでに副作用による死者がサンパウロ市で2人、サンパウロ州内陸部のサンジョゼ・ド・リオ・プレット市で1人確認されている。
 筋肉痛や倦怠感などの軽度の副作用ではなく、死に至るほどの副作用が発生する確率は50万人に1人の可能性だ。昨年10月からサンパウロ市内で黄熱病予防ワクチンを接種した人の数は180万人で、市内での副作用による死者は2人だから、実際の発生率は学術的な比率を下回っている。
 副作用は65歳以上の高齢者、妊婦、生後9カ月未満の乳児、エイズ感染者や放射線治療中などで免疫の低下している人に起こりやすく、該当する人はワクチン接種を避けたほうがよい。
 なお20日付本紙で、「サンパウロ市南部と東部の15地区の黄熱病予防ワクチン接種開始日は、26日から」と報じたが「一日も早く開始を」との市民の声が高まり、サンパウロ州内の他の自治体と同様にサンパウロ市制記念日である25日から始めると同市役所は発表した。