ブラジル人2人がオスカー・ノミネート=作品賞プロデューサーと長編アニメ監督

 23日、世界の映画賞の最高峰である米国のアカデミー賞(ブラジルでの呼び名はプレミオ・オスカー)で、ブラジル人の映画人関係者が2人、ノミネートを受けた。
 ひとりはプロデューサーのロドリゴ・テイシェイラで、彼がプロデュースを任されたアメリカ映画「君の名前で僕を呼んで」が作品賞にノミネートされた。
 テイシェイラは現在40歳。2005年にサンパウロで映画製作会社「RTフィーチャーズ」を立ち上げ、ブラジルでの映画製作の難しさから国外の映画業界にチャンスを求め活動。その結果、2015年にホラー映画「ウィッチ」を手がけて大ヒットしたことから注目度があがった。
 そしてRTは、イタリア人監督ルカ・グアダグニーノ監督による、低予算の同性愛青春映画という、実験的でさえあった「君の~」を手がけたが、これがインディペンデント系の映画祭で評判が評判を呼び、オスカーへのノミネートにつながった。
 もうひとつのノミネートは長編アニメ部門で「フェルディナンド」でノミネートされたカルロス・サルダーナだ。彼はコンピューター科学の道に進もうとしていたが、アニメ作家としての夢を追い、ニューヨークのスクール・オブ・ヴィジュアル・アートに入学。
 そこで才能を伸ばしたカルロスは、師匠のクリス・ウェッジに師事し、ウェッジが監督した大ヒット・アニメ「アイス・エイジ」に参加。2003年には初監督作の「ゴーン・ナッティ」、「アイス・エイジ」も2作目の06年からは監督もつとめた。
 2011年には、リオを舞台にしたアニメ「ブルー 初めての空へ」がアメリカで興業1位になるヒットを記録。14年には続編も製作された。
 これまでヒットは出すものの賞には縁のなかったカルロスだったが、1930年代のアメリカの人気児童書をモデルにした、スペインの闘牛をモデルにした「フェルディナンド」で遂にオスカーへのノミネートを手に入れた。
 アカデミー賞の授賞式は3月4日に行なわれる。