「97年トリオ」の行方は?=欧州サッカー冬の移籍市場の期限迫る

U20ブラジル代表時代のマウコン(Rafael Ribeiro/CBF)

U20ブラジル代表時代のマウコン(Rafael Ribeiro/CBF)

 欧州サッカーにおける冬の移籍市場の期限が1月末に迫っている。今回注目されているブラジル人選手は、いずれも「1997年生まれのフォワード」だ。
 ブラジル人で1997年生まれと言えば、現在、ブラジル代表でセンター・フォワードのレギュラーをつとめているガブリエル・ジェズス(マンチェスター・シティ)の名前がすぐにあがるが、この年代で有望なのは彼だけではない。
 彼以外にももう3人の20歳のフォワードが現在、欧州の各国リーグで活躍しており、冬の移籍市場では3人ともその去就が注目されている。
 一人目はイングランド・プレミアリーグ、ワトフォード所属のリシャルリソンだ。リシャルリソンは昨年8月にフルミネンセからワトフォードに移籍してきたばかりだが、5得点4アシストの活躍で、プレミアリーグの下位が指定席だった同チームが上位争いをするのに貢献している。
 その活躍に目をつけているのが同じプレミアリーグの強豪チェルシーだ。リシャルリソン本人は、ワトフォードに愛着があり、ポジション争いが激しくなるであろうチェルシーへの移籍に慎重な姿勢を見せているといわれているが、さていかに。
 続いて、フランスリーグ、ボルドーのマウコン。こちらもフランス・リーグで現在、チームトップの7得点5アシストと大活躍。この活躍に、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッド、トットナムという、プレミアリーグの強豪3チームが目をつけたと言われている。3チームの中でトットナムが獲得競争においてリードとの報道がなされていたが、22日になってボルドー側がマウコンの移籍そのものに難色を示す発言を行なった。ボルドーは現在フランスリーグで13位で、大黒柱のマウコンに抜けられると、2部降格の可能性もある。
 マウコン獲得がならなかった時のため、トットナムはオランダの名門、アヤックスで活躍中のブラジルのもうひとりの20歳、ダヴィド・ネレスに狙いをつけ「マウコン断念時の代替案にしたい」としているという。
 ネレスも現在オランダリーグ2位のアヤックスにおいて、チームトップの8得点9アシストと大活躍中で、ポジションも同じと、マウコンの代わりとしては一番相応しいようにも見える。
 だがここにきて、トットナムは、同じくブラジル人フォワードのルーカス・モウラ(25)獲得か、との報道も出始めている。ルーカス・モウラはPSGのレギュラーだったが、昨年8月のネイマールの電撃移籍により出場機会を失っていた。
 いずれにせよ、彼らの進路が正式に決まるのは1月末ということになる。毎回移籍期限ギリギリでのドラマチックな結末が見られる冬の移籍市場。今年はどんなドラマが見られるか?