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 昨年、各回200人を超える盛況ぶりで幕を下ろしたブラジル漫画協会と三重県人会共催の「日本の歴史講座」。好評を受けて、本年も全9回の講座が開講されることが決定した。第1回目は3月17日午前9時から、サンパウロ市の同県人会で開催される。同漫画協会の佐藤フランシスコ紀行会長によれば「武士への憧れからか、ブラジル人は主に戦国時代以降の歴史に関心が高い。今年は、縄文・弥生時代などを短くして、近現代の歴史を手厚くしたい」とのこと。その他、ブラジルも含めた日本人海外移住に焦点をあてた特別講演会も企画しているとか。若い日系人子弟にとっては、どのような歴史的背景で移民政策が進められたのかを理解するよい機会ともなりそうだ。
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 日毎叢書企画出版から『楽書倶楽部』第41号が発行された。JICAシニアの鈴木京子さんが、東日本大震災を仙台で被災した時の経験を織り交ぜて書いた寄稿文「いつも通りが一番」が俊逸だ。朝起きて顔を洗う時、蛇口をひねるとお湯が出るのが当たりだと思っていた生活が震災で一変したという。《1カ月も水が出ず洗濯も風呂も大変でした。電気は一番早く四日後に復旧し次にガスが来ましたが、水がないために風呂に入れません》とある。いつ地震がきても対応できるよう、約1年間は夜も服を着たまま寝た。《六年も経ちましたが、なかなか普及が進まないので心が痛みます。今この瞬間を大切に、そして感謝を忘れず過ごしたい。いつも通りが一番です》と締めくくる。そんな興味深いコラムが35本もズラリ。興味ある方は同企画出版(11・3341・2113)まで。