《ブラジル》高知県人会青年部が挑戦=新企画「おきゃく」満員に=よさこいと箸拳で盛り上がる

会場を盛り上げた箸拳

会場を盛り上げた箸拳

 ブラジル高知県人会青年部(川上カミラ部長)が18日、サンパウロ市ピニェイロス区にある同県人会館で「高知のおきゃく」(土佐弁で宴会の意味)を初開催し、昼食時には満席になるなど盛況振りを見せた。会場では本場よさこいのワークショップや、高知県に伝わるお座敷遊び「箸拳」が行われ、来場者を盛り上げた。

 会館のサロン入り口には、段ボールで作られた大きな鳴子や同県の観光地の写真が飾られ、舞台ではよさこいグループの発表が行われた。かつおのたたきも販売されるなど母県の食、芸能、観光が揃う形となった。
 奈良県人会青年部による祭りダンス、グァタパラ移住地のよさこいグループ「まこと」もはるばる駆けつけて踊りを披露。川上部長(26、三世)が協力を呼びかけ、それに応えた形だ。
 川上部長は元県費留学生で、現在はイベント企画会社で働いている。「おきゃく」の企画案は前々から温めていたという。「高知県に行ったときに『おきゃく』を気に入り、ブラジルでもやりたいと思っていた」と語った。川上部長によれば、前売り券を200枚以上も売り上げた。
 川上部長がリーダーを務めるよさこいグループの活動資金を集めることも本イベントの目的の一つ。同グループは2020年の東京五輪の際、日本で開催予定の「よさこい世界大会」への出場を目指し練習に励んでいる。メンバーは15人。県子弟以外の日系人や非日系も参加している。
 川上さんは「青年部は高知の文化を普及、よさこいグループではよさこいを広めたい」と希望を語った。
 川上さんが「是非やりたい」と企画を持ち込んだ「箸拳」が来場者を沸かせた。先攻と後攻に分かれ、後攻がお互いに持っている箸の数の合計を当てるもの。当たれば後攻の勝ち、外れれば先攻の勝利となる。負けた方は献杯を頂く。
 舞台上で実演しルールを説明した後、参加希望者が壇上に上がり箸拳を楽しんだ。文野雅浦副会長も参加し、本場仕込みの発声で威勢良く掛け声を上げるなど会場を盛り上げた。負けた方が献杯をあおると歓声と拍手が起こった。
 かつおのたたき定食を食べていた堀川和子さん(72、二世)、富子さん(69)姉妹は同料理を初めて食べたそう。おきゃく当日に誕生日を迎えたという富子さんは「高知県人会の行事にはよく参加するが、『おきゃく』のイベントも気に入った」と満足げに語った。

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 高知県人会の片山アルナルド会長(73、二世)は青年部が忙しく動き回る様子を見ながら、「こうして青年が主体的に活動してくれている。青年部も『県人意識』というものを持ちながら活動を継続していってほしい」と語った。よさこいグループについても非日系人のメンバーがいることに触れ、「日系人の友人に連れられて参加したり、練習を見た人が興味を持って来たりする。このグループが土佐祭にも入っていき、高知県人会のイベントと互いに大きくなっていければ」と期待した。