「シャヴェス」「シャポリン」の未放送分一挙公開=ブラジルでもはや「国民的人気」のメキシコのコメディ

 5月21日から、ブラジルのお茶の間に、メキシコではおなじみのお笑いキャラクターが帰ってくる。ムウチショウ局が1月に、メキシコの70年代の人気コメディ「シャヴェス」と「シャポリン」の、ブラジルでは発表されてきていないエピソード100本以上の放映権を購入、5月から放送しはじめるのだ。
 「なぜメキシコのお笑いドラマの放送がブラジルで放送されるのがそんなに大きなニュースなのか」と思われるかもしれないが、この2本のコメディのブラジルでの人気は本国をしのぐ勢いで、今や、ある世代から下の層だと「ブラジルの古いドラマ」だと勘違いしている人もいるほど、国民に定着しているのだ。
 ブラジルでの人気の理由は、国外の番組の買付を得意としているSBT局が、開局した1981年から「シャヴェス」の放送を開始。その後も、30数年間にわたって放送され続けたためだ。
 「シャヴェス」は、大の大人が子どもに扮して演じる風刺コメディで、子どものはずの主人公シャヴェスを演じていたロベルト・ボラーニョスは、70年代の放送当時で40代。シャヴェスの恋人役のシッキーニャやセーラー服姿の少年キコも、その当時20代だった役者が演じていたが、彼らの姿がとにかく強烈なのだ。それゆえに、ブラジルでは今でも、ハロウィンやコスプレの代表的なキャラクターとして重宝されている。過去には、ネイマールがキコ、彼が以前つきあっていた人気アイドル女優のブルーナ・マルケジーネがシキーニャの格好でハロウィンの写真を撮り、話題となったことがある。
 「シャポリン」は、「シャヴェス」と同じボラーニョスが演じ、こちらは正義のヒーロー。ただ、赤の全身タイツに黄色いパンツ、といういでたちは、お世辞にもカッコよいとは言えない。だが、その愛らしさが好まれ、こちらも非常に人気が高い。
 ブラジルでは、「シャヴェス」「シャポリン」ともに、秩序立てた放送は行っておらず、放送局の手元にあるものを無作為に放送していたが、本国では両方合わせて500本以上のエピソードを持つ長寿番組だったこの2本。ブラジルではまだ放送していなかったエピソードが100本以上も存在した。
 これで再び、ブラジル国内でもブームがやってきそうだ。(2月27日付G1サイトなどより)