《ブラジル連警》トイレットペーパーまで解析=DNAデータ照合で、パラグアイで発生した強盗事件の犯人突き止める

 ブラジルと国境を接するパラグアイのシウダ・デル・エステ市で、昨年4月24日未明に警備会社のプロセグール社襲撃強盗事件が発生した。
 ブラジル連警はその後、犯罪集団が基地として使っていた家屋から、髭剃りやトイレットペーパー、ビール瓶、コーヒーカップや煙草の吸殻など、300個以上の証拠品を押収。これらに付着したDNAデータを解分析し、ブラジルの犯罪集団、州都第一コマンドの7人が関わっていたことを明らかにしたと、14日付ブラジル国内紙が報じた。
 証拠品はブラジリアの国立刑法学研究院(INC)に送られ、鑑識スタッフが分析した結果、少なくとも32人分のDNAデータが見つかり、7人の身元が判明した。
 事件では、同社ビル周辺の車19台が炎上し、建物の一部が崩れ落ちるほどの爆発も起きた。駆けつけた警察との銃撃戦の末、警察1人、強盗3人が命を落としている。
 一時は被害額4千万ドルともいわれた(その後被害に遭った会社が1170万ドルと申告)事件には、ブラジルの犯罪集団の関与も疑われていた。
 証拠品から採取されたDNAデータと、逮捕された4人の容疑者のDNAデータが一致した事で、4人の拘留継続は正当化された。DNAデータはまた、銃撃戦で死亡した容疑者2人とも一致した。
 現場で得たDNAデータと、連警本部や各州支部の持っているデータを照合する事で、主犯格のアルシデス・ジュニオルの関与も判明した。アルシデス・ジュニオルは事件の翌日に、パラナ州カスカヴェル市で、偽の身分証明書を使って旅行しようとして捕まった。
 連警は、残る25人の特定のため、他の現場で採取されたDNAデータが、データベースに入ってくるのを待っている。