《ブラジル》マリエーレ・リオ市議に関する心ないデマがネットで拡散=判事や下議も騙され書き込む=犯行に使われた車や銃弾の調査も進行

マリエーレ市議の追悼集会に集う人々(Gibran Mendes)

マリエーレ市議の追悼集会に集う人々(Gibran Mendes)

 【既報関連】14日夜にリオ市で起きた、マリエーレ・フランコ市議(自由社会党・PSOL)とその運転手のアンデルソン・ゴメス氏射殺事件に関し、16~18日には、使われた銃弾の鑑定結果が出、犯人らが使ったと思しき車がミナス州で押収された。
 他方、同市議のイメージを傷つけるようなデマ(フェイクニュース)がインターネットで飛び交い、心を痛めた遺族や支援者らが真実を明らかにする行動を起こしていると、17~19日付現地各紙・サイトが報じた。
 「マリエーレ・フランコに関する真実」と題する、リオ市議会女性の権利保護委員会の署名入りサイトには、「彼女の死後、多くの噂がインターネットで広まっていますが、我々はそれを許容しません」とある。サイトでは、「彼女はいかなる麻薬組織のボスとも結婚していない」、「彼女は麻薬組織コマンド・ヴェルメーリョ(CV)の援助で当選したのではない」、「彼女は16歳で妊娠してはいない」と、噂に対する反論を証拠と共に掲載している。
 嘘を広めた人々の中には、「彼女は犯罪集団と関わりがあったために殺された」とフェイスブックに記載したマリリア・カストロ・ネーヴェス同州地裁判事や、「16歳で妊娠、麻薬組織の長マルシーニョVPの元妻、大麻常用者、CVの援助で当選の彼女は…」とツイッターに書き込んだアルベルト・フラガ下議(民主党・DEM)がいる。同下議は真偽を確かめずに書き込んだ事を認めたが、「自分の行為を後悔していない」と開き直った。PSOLは、ネーヴェス判事の件を国家法務審議会(CNJ)に抗議した上、フラガ下議を下院倫理委員会に訴える事も検討中だ。
 17日深夜~18日未明には、ミナス州市警が同州南東部ウバ市で、犯行に使われたのと同型のリオ市ナンバーの銀色の乗用車を押収した。現在は関与の有無を確認するための鑑識中だ。19日には所有者が事件に関与した可能性は低いとの見解が表明されたが、車は押収されたままだ。
 17日に公開された防犯カメラの映像には、市議が乗った車が事件直前に参加していたイベント会場を去った後、すぐ後に停まっていた車が発車した様子や、この車が別の車を先に行かせた様子などが映っている。
 警察は16日、殺害に使われた銃弾の製造番号が、15年8月にサンパウロ市大都市圏で起きた17人殺害事件で使われた弾と同じだったとの鑑識結果を発表した。製造番号はUZZ18で、06年にブラジル弾薬会社がブラジリアで連警に販売した弾の一部だ。連警はこの製造番号の銃弾流出に関する捜査を50件も抱えている。