《ブラジル》アリアンサ=珍しい着物講座に100人超=丹治さんが歴史、着付け教授=和装の新郎新婦も登場

当日のスルプレーザで本格衣装の新郎新婦も登場

当日のスルプレーザで本格衣装の新郎新婦も登場

 日伯文化連盟(アリアンサ、大城幸雄理事長)は3月24日、着付け師の丹治知佐子さんによる着物のワークショップをピニェイロス校で開催した。和服の歴史や種類のほか、振袖の着付けの実演を披露した。ブラジルでは一般向けの着物講座はごく珍しいとあって、大半が非日系人の来場者100人超は歓声を上げながら興味深そうに説明を聞いていた。

 講演を聞いた後、メイクアップ・アーティストのウェステルレイ・ドルネラスさん(52)は、「参加して本当に良かった! 一目見ただけでは真似できない。歴史を感じた」と興奮冷めやらぬ様子。
 ドルネラスさんは特殊メイクなどを行なうカマリン・ブラジル社、パフォーマンス集団のモンタダシ・インデックスに所属しており、もともと和服や日本風の化粧に興味を持っていた。早速アリアンサで予定されている丹治さんの着物の着付けクラスの事前登録申し込みをしていた。
 マルジョリ・リベロさん(23)も、「綺麗な着物を日系のイベントで見ることはあっても、歴史などを知る機会はあまりない。着付けも珍しかった」と語った。
 当日、丹治さんはまず日本の衣服の歴史を縄文・弥生時代から丁寧に紹介し、中国の影響があったことを説明。さらに日本の「和服」が確立された平安時代から現代の衣服まで紹介した。
 特に江戸時代の舞妓や芸者については「外国人の方に勘違いされやすい」と前置きし、「芸者は遊女ではない。13~18歳の間は舞妓として芸を学び、芸者になる。歌や舞、楽器を披露するのが芸者で彼女らは酒を注いだりしない」と念入りに説明した。

振袖の着付けを見せる丹治さん

振袖の着付けを見せる丹治さん

 くわえて浴衣や甚平、法被などサンパウロ市でも比較的見る機会がある和服の紹介のほか、振袖や着物の違いも紹介した。一見同じ形に見える着物でも、色や家紋が入ることで格が変わるそうだ。丹治さんは持参した4種の帯を見せながら帯の種類についても説明した。
 その後、着付けの実演となり、あらかじめ肌襦袢を身につけたモデルが登壇した。丹治さんは着付けの方法を説明しながらモデルに振袖を着せていった。着付けを終えると拍手が起こり、モデルは会場内を歩いて豪華な振袖を見せた。
 さらに清楚な和装の新郎新婦も登場し、白無垢の新婦、袴の新郎を見た会場からは「お~」と感嘆の声も。丹治さんが登壇した新婦に色内掛けを着せ「はい、どうでしょうか!」と呼びかけると再度拍手が起こった。
 質疑応答では着物はブラジル国内で購入可能かどうか、着物の値段相場など次々と質問が寄せられ、着物への関心の高さを伺わせた。

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 アリアンサで行なわれる丹治知佐子さんの着付けクラス「A Arte de Vestir Kimono」は事前登録の申し込みを受け付けている。全8回の女性用クラスは今月14日から週1、各2時間。水曜午後7時、木曜午後3時、土曜午前10時半の3つの時間帯から選べる。男性用は28日から全4回で各1時間、土曜午前9時から。ほか3時間の浴衣のワークショップが28日、5月26日、6月16日に予定されている。参加には事前申し込み、参加費支払いが必要。詳細はアリアンサピニェイロス校(電話=11・3031・5550/メール=pinheiros@aliancacultural.org.br)まで。着付けを学んで日系イベントに出かけてみては?