サンパウロ市=黄熱病で7人目の死者確認=予防接種の可否問う診断前に感染

 3月29日に、サンパウロ市パレリェイロスに住む、ジョアン・アンドラーデ・ロッシェルさん(72)が、黄熱病で亡くなった。
 ロッシェルさんは心臓疾患を抱えていたため、黄熱病の予防接種を受けるには医師の許可を受ける必要があったが、10月に予定していた診察を3月末に前倒しして診察を受ける直前に同病に感染し、亡くなった。
 妻のイヴァニさんは、「誰も黄熱病に感染するなんて考えてもいなかった。何も出来ず、手をこまねいて、夫が死んでいくのを見ているなんて、余りにも残酷だわ。何もかもぶち壊しになってしまったの」と嘆いた後、「自分も夫が黄熱病と診断されてから予防接種を受けたけど、予防接種を怖がっていてはダメ。怖がるなら、黄熱病を怖がらなくちゃ」と発破をかけた。
 サンパウロ市での予防接種は昨年、黄熱病に感染したサルの死体が最初に発見された公園のある同市北部から始まった。同病に感染したサルの死体が発見された公園が南部や東部にも広がったため、予防接種の対象地域も徐々に広がったが、3月末までに予防接種を受けた人は、対象人口の約60%にあたる600万人のみだという。
 ロッシェルさんの感染と死で、サンパウロ市の黄熱病感染者は11人、同病による死者は7人となった。(2日付G1サイトより)