《ブラジル》ジュングマン治安相=スラム街常駐の平和維持駐留部隊の一部閉鎖を示唆=「人員や物資を集中させる」と発言

2008年の創設からしばらくは一定の評価を得ていたUPPだったが…(参考画像・Fernando Frazão/Agência Brasil)

2008年の創設からしばらくは一定の評価を得ていたUPPだったが…(参考画像・Fernando Frazão/Agência Brasil)

 ラウル・ジュングマン治安相は27日、リオ市やその大都市圏に38ある、軍警の平和維持駐留部隊(UPP)の内、いくつかは閉鎖されるだろうと語ったと、同日付現地サイトが報じた。
 UPPはファヴェーラ(スラム街)内に軍警が24時間体制で常駐し、地域の警戒にあたるもの。犯罪発生時の機動性向上だけでなく、犯罪抑止効果も評価されたが、近年は州財政の悪化で、装備や設備の劣化も指摘されていた。
 ジュングマン治安相は「UPPは拡大しすぎて全てを維持する事が難しく、劣化まで招いてしまった。また、UPPは警察活動を通して、治安改善や治安維持を目指す計画の一環だったが、州政府は地域の医療や教育も同時に進展させるべきだったのに、それがかなえられていない」と語り、一部のUPPの閉鎖も含む再編成の正当性を訴えた。
 ジュングマン治安相は、「一部のUPPはもうその機能を果たしていない。ならば、どうすればよいか? そこを閉鎖し、人員、物資を他に回し、まだ改善の余地があるところを改善するだけだ。少なくとも、人員や物資が回ってきたところでは、巡回パトロールの頻度や質も高まる」と続けた。
 同治安相は、機能不全に陥ったUPPの人員や物資を再編成する事で、ファヴェーラ以外のリオ市の警備も改善され得るとした。また、正常に機能しているUPPは継続する意向を表明した。