全伯虚子忌大会=入賞者にトロフィー贈与=44人が参加、若者も

当日の様子

当日の様子

 サンパウロ州リベイロン・ピーレス市などが主催する『第26回全伯虚子忌俳句大会』が21日に行われた。44人の俳句愛好家が集まり、一日を楽しんだ。
 「虚子忌」「新豆腐」「クアレズマ」「夜寒」「秋の山」の5つの兼題で投句され、5人の選者が特選、次点を選考。参加者全員で優秀作品の互選を行なった。
 今回は西山ひろ子さん(23点)が優勝。以下順番に、西森ゆりえさん(17点)、西谷律子さん(16点)、林とみ代さん、中馬和子さん(14点)、三輪遊さん(12点)、串間いつえさん(10点)、武田知子さん、西川あけみさん、村上士郎さん、村中大樹さん(9点)。1~5位まの入賞者にはトロフィーが贈られた。
 中馬さん(69、鹿児島)は「秋日に恵まれ和気藹々とした雰囲気で行なわれた。若い人の参加もあり活気があった」と大会を振り返った。
 特選、次点受賞句は次の通り(敬称略)。佳作以下は後日文芸欄で掲載予定。
【芳山選】<特選>豊かなる鄙(ひな)の暮らしや新豆腐(串間いつえ)、<次点>新豆腐みんな揃ひし日もありて(小斎棹子)
【村上士郎選】<特選>豊かなる鄙(ひな)の暮らしや新豆腐(串間いつえ)、<次点>この地球皆のふるさとクワレズマ(浅海喜世子)
【梅崎嘉明選】<特選>和語にポ語相(あい)和(わ)す世界虚子忌かな(西山ひろ子)、<次点>虚子祀る我等の歴史百十年(西森ゆりえ)
【小斎棹子選】<特選>もてなしの味噌汁に浮く新豆腐(西谷律子)、<次点>秋の山ふもとの湖(うみ)の名を知らず(西森ゆりえ)
【永田美智子選】<特選>平成も果てなむとしつ虚子祀る(武田知子)、<次点>老いたれど句心あせず椿寿の忌(林とみ代)

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 俳人減少が囁かれるブラジル俳句界だが、全伯虚子忌大会では若者の参加もあったとの報告があった。11位に入賞した村中大樹さんはJICA青年ボランティア。初参加で高得点を獲得したそうだ。また中馬さんは、参加者を増やすために、1~5位までの入賞者にトロフィーを贈るなど景品を贈る工夫もしたそう。「若い人が増えれば大会はもっと楽しくなる。やりがいもでて、歌作りにも力が入る」と若者参加を望んだ。約100人もブラジルに派遣されているJICAボランティアの皆さん、当地に赴任した機会に俳句を始めてみてはどうですか?