サンパウロ市=中央部の火災現場から遺体=消防は生存者の望み捨てず

 【既報関連】1日未明にサンパウロ市中央部の24階建てビルで起きた火災現場で4日、救助活動の最中に瓦礫に飲まれたリカルド・デ・オリヴェイラ・ガウヴァン・ピニェイロ氏の遺体が発見された。また、6日にも同氏の遺体の一部が発見されたと4~7日付現地紙・サイトが報じた。
 遺体は頭部がかけているなど、完全な状態ではなかったが、刺青や救助用のロープを身につけていた事などから、ピニェイロ氏に違いないと見られていた。遺体は法医学研究所による鑑定後、埋葬された。
 遺体発見現場はルーテル教会側のクアドランテ1と呼ばれる区画だ。同区画では前日の活動中に警察犬が異なる匂いがしている事を示しており、行方不明者の捜索が重点的に行われていた。
 消防によると、遺体が発見されたのは12階付近の瓦礫が固まっている部分だった。同ビルで人が住み着いていたのは9階以下で、残り5人の行方不明者も、これより下の部分にいるはずだ。
 消防によると、瓦礫の撤去作業などで風穴が開くと、一時的に火の手が上がったりするため、瓦礫の山の中に酸素が残っている部分がある事は確かだ。消火作業で使う水も生存者の命を繋いでいる可能性があるし、世界最長の生存記録は14日間だから、生存者の体力や精神力が絶えてしまわない限り、生きたままの行方不明者と会える可能性は残っているという。
 また、6日には、遺体発見現場付近で、別の遺体の一部と15メートルのロープが見つかった。6日に見つかった遺体の一部は7日午後、ピニェイロ氏のものだった事が確認された。
 行方不明者の捜索活動は既に8日目に入っているが、瓦礫を撤去しながらの作業は困難を極め、地上階や地下の瓦礫撤去までには10日以上かかる見込みだという。
 なお、住居不足に伴う空きビルなどの不法占拠はサンパウロ市だけに限った事ではなく、リオ市やミナス州ベロ・オリゾンテ市、バイア州サルバドール市などでも、歴史遺産として指定された建物などに路上生活者が住み着いた例が報告されている。
 これらの州の住宅不足軒数は、サンパウロ州134万軒、ミナス州57万5千軒、リオ州46万軒、バイア州46万1千軒とされている。