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明治大学=中南米と漫画で関係強化=文協やUSPに3450冊寄贈=二宮氏「画期的なプロジェクト」

(右から)二宮学長特任補佐と寄贈を受ける文協の松尾治副会長

(右から)二宮学長特任補佐と寄贈を受ける文協の松尾治副会長

 明治大学(土屋恵一郎学長)は、漫画を武器に中南米との関係強化を加速している。昨年、ジャパン・ハウス(以下、JH)に200冊の漫画本を寄贈したことを皮切りに、今年は3450冊をブラジルとコロンビアの日系団体と協定校に寄贈した。漫画の教育的価値や研究対象としての魅力をアピールし、将来的に日本と中南米の懸け橋になる人材の輩出を目指している。

 明治大学は2016年、漫画を通じて日本文化や日本語の発信・普及を図る「ラテンアメリカ×マンガ プロジェクト」を立ち上げた。同大学には日本最大の漫画蔵書数を誇る図書館があり、重複した収集本の有効な活用法として寄贈も進めている。
 昨年5月に第1弾として、JHの開館にあわせて漫画本200冊を寄贈した。その時、本の選定や輸送にかかる費用が課題として挙げられたが、同プロジェクトが「平成29年度文化庁メディア連携活動支援」に採択されたことで、今回の3450冊寄贈が実現した。
 寄贈先はブラジル日本文化福祉協会(以下、文協)やサンパウロ州立総合大学(USP)など日系団体や協定校、合わせて6カ所だ。
 JHへの寄贈に際し来伯した小林正美副学長は「漫画は日本語や歴史などの教育的な価値が認められている。日本に留学生を呼ぶ上で、漫画は研究対象としても魅力的だ」との考えを示していた。今後、漫画をきっかけに協定校から明治大学に留学する学生が出てくる可能性もある。
 1千冊の寄贈を受けた文協で7日、記者会見が開かれ、松尾治副会長、川原崎隆一郎図書委員長、明治大学の二宮正人学長特任補佐らが出席した。二宮氏は「漫画を日本の文化として発信する画期的なプロジェクト」と力を込める。
 文協は図書室に専用の本棚を設置し、誰でも自由に閲覧できるようにした。『あしたのジョー』や『鋼の錬金術師』など新旧の名作が並ぶ。川原崎図書委員長は「利用者は高齢者が中心。漫画を目当てに若い人たちにも来てもらいたい」と期待を寄せた。
 同じく1千冊の寄贈を受けたUSPでは日本文化研究所に置かれる。同大学法学部教授でもある二宮氏は、「300人ほどの学生が日本語を学んでいる。彼らがさらに日本文化への造詣を深めるのに役立つ」と言う。
 明治大学は引き続きブラジルとアルゼンチンの各所に漫画本1200冊の寄贈を予定。サンパウロを中心に協定校や文化施設での漫画を用いたワークショップの開催も計画中だ。

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