69年続く歴史と伝統=エスペランサ婦人会がバザー

野口総領事もバザー会場に訪れた

野口総領事もバザー会場に訪れた

 エスペランサ婦人会(倉持恵美子会長)が『第67回慈善バザー』を6日、文協ビルの大サロンと大講堂で行なった。同婦人会の前身は1949年、戦後の日本にララ救援物資を送るために創立した。会員の高齢化に伴い年々規模を縮小しているが、今もなお歴史を紡ぎ続けている。
 会場には手製の衣料品や漬物、お菓子などのバザー業者約30店舗が軒を連ねた。同婦人会は福祉団体に協力しており、今回の収益は援協や憩の園などの医療・福祉団体に寄付される。
 午前9時に野口泰在聖総領事と同館領事の夫人5人が来場し、バザー会場と調理場を視察した。野口総領事は「ご婦人方のパワーがすごい。これまでいくつかの地方日系団体を回ったが、婦人部が元気な団体は活動が活発だ。これからも活動を受け継いでいってほしい」と話した。
 領事夫人のひとり原田咲寄子(さきこ)さんは、「戦後、彼女たちが援助してくれた歴史をもっと日本のひとに知ってほしいと思う」とし、「ここで売られている桜餅は塩漬した葉も手作り。古い日本の伝統が受け継がれていることを実感する」と話した。
 同ビル5階の調理場では、手巻き寿司やパステルなどの料理が次々に作られていた。倉持会長は「使われている寿司桶は私が会員になったころからあったもの。もしかしたら創立時から使われているかもしれない」と微笑んだ。
 調理には同婦人会会員に加え、学生ボランティアで構成されるABEUNI(アベウニ)や和歌山県人会婦人部なども協力していた。倉持会長は「多い時には200人ほどの会員がいたが、今は80人ほど。その分、他の団体の協力があってなんとか毎年開催で来ている。本当にありがたいです」と謝意を示した。