《サンパウロ市》未明に路上生活者2人が死亡=寒波による冷え込みが原因か

 関連前線の通過に伴って、強い寒波に見舞われたサンパウロ市で21日未明、路上生活者2人が遺体で発見された。
 路上生活者の世話をしている、カトリック司牧会司祭のジュリオ・レナト・ランセロッチ氏によると、遺体には暴行などを受けた跡はなく、低体温症を起こして亡くなったと思われるという。
 最初の遺体は、市内中央部パルケ・ドン・ペドロにあるバスターミナルの傍のジェネラル・ジャルジン街、もう一人の遺体は市西部リオ・ペケーノ大通りで見つかった。二人の遺体は死因解明のため、法医学研究所に運ばれた。
 サンパウロ市は、19日の寒冷前線通過以降、強い寒波に見舞われており、21日朝6時には市北部の観測所でも、今年最も低い、最低気温9・6度を記録した。市内の平均の最低気温は8度ともいわれている。
 市西部で見つかった遺体は、34歳のマルシアノ・ダ・シウヴァ・コレイア氏のものである事が判明した。同氏には子供が4人いるが、アルコール中毒で、母親が路上生活から抜け出せるよう、一生懸命に働きかけていたが、叶わなかった。
 市中央部で見つかった22~24歳と見られる男性の遺体は、まだ身元が判明していない。
 サンパウロ市役所は、17日から9月30日までの予定で、低温状況のための緊急時計画を立てており、気温が13度を割った時は路上生活者を収容施設に移動させたりしている。21日の未明も、プロント・ソーシャル・ケア調整局職員が、326人の路上生活者を収容施設に運んでいた。
 市役所によると、気温が低下した時のための収容施設は、市中央区に100人分、ラッパ区に80人分用意されている。通常の路上生活者用収容施設は計1万4千人分の収容能力があるが、亡くなった二人はこれらの施設の恩恵を受け損なったといえる。
 カトリック司牧会では寒さ対策のための毛布や防寒着のストックが足りなくなっており、広く、寄付を呼びかけている。寄付の品は、サンパウロ市中央部ジャウマ・ヅットラ街3番にある「カーザ・デ・オラソン(祈りの家)」か、ベレン区タクアリ街1100番のサンミゲル・アルカンジョ教会で受け付けている。(21日付アジェンシア・ブラジル、G1サイトより)