「今週末の営業厳しいかも」=鮮魚や野菜枯渇で東洋街飲食店

「伴」の原口政信さんは「まだネタはあるけど…」と不安そうに腕を組んだ

「伴」の原口政信さんは「まだネタはあるけど…」と不安そうに腕を組んだ

 ストの影響が長引くなかで、昨日報じたトマス・ゴンザガ街の「謙造寿司」は29日、シャッターを閉めていた。他にも開店できない寿司店がいくつかあるようだ。
 このように鮮魚や青果が手に入りづらい状況を、経験や独自の工夫で対策を講じている日系レストランもある。
 「エスパッソ和」や「らーめん和」など日本食レストランを複数経営するヤマト商事では、白米の配達が滞り、店舗の一つである「びすとろ和」では、28日から弁当の販売停止を余儀なくされた。
 長谷川洋二取締役によれば「今日明日中は問題ないが、このままストが続けば、今週末の営業は厳しくなるかもしれない」と懸念を示した。
 「普段からある程度は在庫を持つようにしているが、卵の在庫もなくなり、野菜類も仕入れが困難になっている。現在、手分けをして、仕入れに奔走している状況だ」と苦労を滲ませた。
 同じトマス・ゴンザガ街に日本食レストランを構える「伴」では、特に、鮮魚の調達に支障が出ているという。オーナーシェフの原口政信さんは、「今日(29日)の分はあるけど、明日はどうか分からない」と不安そうに腕を組んだ
 店主は「セアザにモノがなくなり、市営市場でも枯渇している。古くからの付き合いがある人も多く、優先的に回してもらってはいる」と口を濁し、「何とかあるもので工夫を凝らしてやっているが、本当に困ったものだ」と現状を嘆いた。
 リベルダーデ区グロリア通りの日本食レストラン「侍」の上園モニカさんによれば「魚の配達も今日限り。野菜や果物も値段が跳ね上がり、レモン一箱50レアルだったのが、今や250レもする」と頭を抱える。
 だが、「手を拱いているわけにはいかない。農家まで行って、直接購入しにいくつもり」と対策を講じていく見通しだ。

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 東洋街の印刷会社グラフィカ・パウロスの島袋レダさんによると、同印刷会社でも、印刷し終わった製品を郵送することができないという問題が発生している。印刷用紙は種類によっては在庫が尽きてしまったとも。「まだある紙も、もういつ切れるか…」と心配そうな表情で語った。ほか、インクなども減り続けるのみだ。ブラジル中で大混乱を起こす大規模なトラックストについて、ついに日本の主要な報道機関も報じ始めた。早く復旧して欲しいところだ。