リオデジャネイロ随一の観光名所、ポン・デ・アスーカルのケーブルカー=近隣地区で銃撃戦発生のため運行休止=ただし翌日は平常運行

リオ市南部の絶景が見渡せるケーブルカー(Tomaz Silva/Agência Brasil)

リオ市南部の絶景が見渡せるケーブルカー(Tomaz Silva/Agência Brasil)

 リオ市南部、ウルカ地区で8日、警察と麻薬組織との間で激しい銃撃戦が発生し、コルコバードのキリスト像と並び、ブラジルでも屈指の観光スポット、ポン・デ・アスーカルのケーブルカーの運行が一時休止したと、8、9日付伯字紙・サイトが報じた。
 ケーブルカーは2時間にわたって運行を休止。1912年の開業以来、暴力事件が影響しての運休は初めてだった。
 ケーブルカーはウルカ地区の発着所と、ポン・デ・アスーカルの丘を結んでいる。ケーブルカーが運休した事で、数十人の子供を含んだ100人ほどが、丘の上に一時取り残された。また、ウルカ地区上空を飛行路とするサントス・ドゥモン空港も15分ほど離着陸が中断された。
 軍警大隊は8日午前8時に、ウルカ地区とレメ地区、ボタフォゴ地区の間にある、バビロニアやシャペウ・マンゲイラと呼ばれる丘のスラムへの侵攻を開始した。
 バビロニア、シャペウ・マンゲイラのスラムは、今月はじめより、敵対する麻薬組織同士の抗争が激化していた。
 バビロニアやシャペウ・マンゲイラのスラムは丘の南側レメ地区側に面しているが、そこでの軍警の一団に遭遇した、麻薬組織の数名は丘を上り、反対側の、丘の北、ウルカ地区やヴェルメーリャ海岸方面に逃走しようと試みた。ウルカ地区は軍の施設が集中しているエリアでもある。
 インターネット上では、丘の北側の岩肌を強引に降り、ヴェルメーリャ海岸に着いたギャングの映像も拡散された。このギャングは逮捕され、ライフル銃6丁も押収された。
 軍警2人も銃撃戦で負傷したが、命に別状はなかった。
 なお、ポン・デ・アスーカルのケーブルカーの運行は9日以降、正常に戻っている。(9日付エスタード紙、同アジェンシア・ブラジルより)