経済、政治、文化などの日伯交流の促進を=ブラジル日本商工会議所会頭 松永 愛一郎

会議所 松永会頭

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 6月18日に「日本移民110周年」を迎えるにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
 1908年、笠戸丸がサントス港に入港してから記念すべき110周年を迎える今、日系ブラジル人の数は約190万人にのぼるとも言われ、海外最大の日系社会が築かれています。
 勤勉さと教育レベルの高さから広範な分野に進出し、ブラジルの発展への貢献及びブラジル社会に確固とした存在を示し続けている日系ブラジル人の皆様におかれましては、日本・ブラジル両国の友好関係を強化していく上で強固な架け橋の役割を果たして頂いており、この場を借りまして、改めて感謝の意を表します。
 今年1月に始まった110周年記念イベントも活況を呈しており、眞子内親王殿下のご臨席を得て7月21日に開催予定の記念式典公式セレモニーを、小職自身も鶴首致しております。
 さて、ブラジル経済は政治危機を伴う長期に亘る不況に苦しみながら、2017年は3年ぶりにプラス成長に回復しましたが、先般の大規模物流ストライキに伴う混乱もあり、今しばらく様子見が必要な状況です。
 今年10月の大統領選挙を経て、本格的な回復局面に入ることを祈念致しております。ブラジルの持続的な経済成長には投資、特に海外からの投資が不可欠であり、ここでも日本企業の果たす役割は未だ大きいと考えています。
 こうしたブラジルにおける日本企業の活動を後押しする為、ブラジル日本商工会議所(以下、カマラ)としても、税制、労働等の所謂「ブラジルコスト」の改善に向けた政策対話活動(AGIR活動)に加え、日本とメルコスールのEPAの早期締結についても関係国政府や民間経済団体のご理解とご協力を得ながら積極的に働き掛けております。
 7月23~24日に東京で開催予定の第21回日伯経済合同委員会に於いてもEPAに関し議論を深める予定にしており、メルコスールを面で捉えたシームレスなビジネス環境整備に貢献して参る所存です。
 一方、両国間の新たな協業の成果として、オールジャパンとして日本の魅力を発信する広報拠点施設「ジャパン・ハウス」が昨年4月に世界に先駆けてサンパウロで開館し、テメル大統領や麻生副総理、薗浦外務副大臣ご臨席の下、記念式典が盛大に開催されました。
 オープン当初の年間目標13・6万人に対し、一年間で目標の約5倍となる77万人近くの来館者数を記録する等、注目度は極めて高くサンパウロの新たな人気スポットとして定着しています。カマラとしても引き続きジャパン・ハウスの活動を応援していきたいと思います。
 カマラは、今後とも、日系社会の皆様のお力添えを頂きながら、経済だけでなく、政治・文化など日伯の交流促進に向けて全力で取り組む所存でございますので、これまで同様ご支援、ご協力の程宜しくお願い申し上げます。