セレソン2022=ブラジル国民のほとんどがチッチ監督留任希望=W杯では準々決勝敗退も

 

チッチ監督(Lucas Figueiredo/CBF)

チッチ監督(Lucas Figueiredo/CBF)

 フランスの優勝で幕を閉じたサッカーW杯ロシア大会では準々決勝で敗れたブラジル代表だが、チッチ監督に関してはブラジル国民の多数が留任を支持しており、ブラジル・サッカー連盟(CBF)も留任を要請している。
 準々決勝敗戦後に、ブラジル大手TV局グローボのスポーツ・サイト、グローボ・エスポルテが行った調査によると、実に86%のブラジル国民がチッチ監督の留任を望んでいた。
 チッチ留任支持の理由として挙げられた主なものとしては、「2014年ブラジル大会準決勝のドイツ戦の1―7の惨敗からチームを立ち直らせ、今大会の優勝候補にまで復活させた」「16年8月の就任以来、2敗しかしていない」というものだった。
 ブラジルのサッカーファンにとって、チッチ監督は、2014年の地元開催の大会での準決勝ドイツ戦で受けた心の傷を癒してくれた、恩人のような存在であり、そのチッチを簡単に切るわけにはいかないと判断した人が多いようだ。
 ただ、その一方で、ロシアW杯が開幕してからも調子が上がっていなかったガブリエル・ジェズスやウィリアンに固執し、逆に好調だったフィルミーノやドウグラス・コスタを臨機応変に起用しなかったこと。ベルギーに敗れた準々決勝で、累積警告で出場停止だった中盤の守備の要、カゼミーロの代わりに、4年前のドイツ戦1―7の敗戦時の戦犯とされたフェルナンジーニョを起用し、その彼がオウン・ゴールを記録してしまうなど、2大会連続で疫病神にしてしまったこと。また、フレッジやタイソンといった選出時に不人気だったメンバーを結局1試合も起用せず、前述のカゼミーロの不在や、パウリーニョが不調に陥った際に他の選択肢を持てなかったことなど、チッチ監督の采配を批判する人も少なくはなかった。
 ただ、「他に代わりが務まる監督がいない」という意見も目立っていた。仮に別の人物を次期監督の座につけるならば、多くの人が、昨年グレミオを南米一に導いたレナト・ガウショ氏を候補にあげている。だが同氏も「セレソンの監督を引き受ける準備ならいつでもできているが、いまはまだチッチが続けるべきだ」とエールを送っている。
 17日ブラジル現地では、チッチ監督が来年6月にブラジルで開催されるコパ・アメリカまで、ブラジル代表監督の契約を更新した、と一部メディアが報じ始めている。(9~17日付、グローボエスポルテなどより)