パルメイラス=新監督に名将フェリポン招聘=W杯優勝監督、3度目の指揮

フェリポン氏(Rafael Ribeiro/CBF)

ルイス・フェリペ・スコラーリ氏  (Rafael Ribeiro/CBF)

 

 サンパウロ市に本拠を置く、名門サッカーチーム、パルメイラスは26日、前任のロジェール・マシャド監督の後任として、2002年日韓W杯優勝などの輝かしい実績を持つ、「フェリポン」ことルイス・フェリペ・スコラーリ監督が就任すると発表した。
 フェリポンと言えば、世界のサッカー・ファンには2002年のW杯で、ロナウド、リヴァウド、ロナウジーニョの「3R」を擁して優勝したことが思い出されるが、パルメイラスでも、1999年に初のリベルタドーレス杯制覇に導いた経歴を持っている。
 同氏がパルメイラスの監督を務めるのは、リベルタドーレス杯や、ブラジル杯、メルコスール杯を制覇した1997~2000年と、ブラジル杯で再び優勝した2010~12年に続き、3度目だ。
 スコラーリ氏はパルメイラスでの実績のほか、グレミオでも95年に南米一、96年にブラジル全国制覇を経験。他にも97年にJリーグでジュビロ磐田を率い、後の黄金時代の礎を作ったほか、ポルトガル代表監督として、2004年欧州選手権準優勝、2006年ドイツワールドカップでは4位に入るなど、輝かしい実績を誇っている。
 その一方で、2012年には同年のブラジル杯で優勝させたはずのパルメイラスを全国選手権で低迷させたり(退任後にチームは2部降格)、さらに2度目のセレソン監督となった2014年のW杯では、準決勝ドイツ戦で1―7の惨敗を喫するなど、近年は苦杯をなめていた印象もあった。
 2015年に就任した中国スーパーリーグの広州恒大では、17年までの同リーグ3連覇に、15年のアジア・チャンピンズ・リーグ制覇などの栄光も味わい、健在ぶりをアピールしていたが、昨年末に広州恒大との契約を延長せず、無所属の状態だった。
 6年ぶりに采配をふるうことになるパルメイラスは、12年に2部に落ちて以降は復興し、16年には全国選手権優勝、17年には同2位。今年はリベリルタドーレス杯ではベスト16、ブラジル杯は準々決勝に残っており、まずまず安定した好成績を残している。しかし、全国選手権では、まだ全体の半分にも満たない第15節終了現在で20チーム中7位。上位との差もそれほど開いてはいないが、ブラジル国内では最大の補強資金をつぎ込んだ運営陣は不満で、優勝を名将に託した形だ。
 スコラーリ氏はシーズン途中の就任ながら、2020年までの契約となる。もっとも、パルメイラスは2013年以来、監督を1年間務めた人が1人もいないほど、監督の首切りが盛んに行われていることでも有名だ。
 ブラジルのサッカー・ファンの中ではいまだに「1―7の監督」と呼ぶ人もいるが、その汚名を返上するためにも、パルメイラスで好成績をあげたいところだ。(26日付グローボエスポルテより)