サンパウロ州でも積荷強盗団摘発=ミナスと南大河で故買?

 サンパウロ州市警が7月31日に、サンパウロ大都市圏のABC地区やバイシャーダ・サンチスタ、ソロカバ、カブレウヴァを舞台に積荷強盗を繰り返していた犯罪組織摘発のための「オウロ・ブランコ作戦」を敢行したと同日付現地紙サイトが報じた。
 今回の作戦名は、強盗団が最初に狙い始めたのが白くて高価なポリエチレンだった事でつけられた。強盗団は、ポリエチレンの他、やはり高価な、鋼鉄や銅を巻いた大型ボビンも狙っていた。
 この強盗団は2016年から活動を始め、月々800~1千万レアルを稼いでいたという。警察は盗聴により、偽領収証を発行し、盗品を買い取っていた企業がある事も突き止めている。
 市警が請求した逮捕令状25件、家宅捜索令状39件は、サンパウロ州とミナス・ジェライス州、リオ・グランデ・ド・スル州で執行された。ミナス州とリオ・グランデ・ド・スル州では、盗品を受け取って売り捌いていた企業が摘発された。ただし、サンパウロ州以外の州で同作戦の対象となった市の名前は明らかにされていない。午前9時現在の逮捕者8人には、組織のナンバー2も含まれているという。
 この強盗団はABC地区のマウア市内に倉庫を二つ持っており、盗んだ品物を一時的に隠していた。ここ半年間に強盗団が暗躍した舞台は、サンパウロ市と内陸部を結ぶカステロ・ブランコ道や、サンパウロ市と海岸部を結ぶアンシエッタ/イミグランテス道、ならびに九つの高速道にアクセスする環状線(ロド・アネル)で、積荷を強奪した後は、直ちにマウア市に向かい、荷を下していたようだ。
 警察によると、倉庫には携帯電話やトラックの位置を知らせる機械のシグナルを妨害するための設備があり、周辺では一切の通信や位置特定作業が行えなかったという。
 また、倉庫内外には複数のカメラがあり、倉庫にいたメンバーは警官到着を事前に察知、警察が踏み込む前に奥の出口から逃げたという。
 不況時は銀行強盗や積荷強盗の類が増える傾向にあるが、積荷強盗が頻発すると、市場に出回る製品の流通に問題が生じる上、警備のための経費や保険料の値上がり、しいては輸送費の高騰を招く。危険回避や損失防止のための経費が製品価格に転嫁されれば、最終的なツケは消費者が負う事になる。