《サッカー・ブラジル杯》ブラジル国内の試合で初のVAR使用=退場判定が警告に変更=「少し時間はかかったが、適切に運用」と国内メディアは評価

VARがレッドカードの判定に影響を与えた。(Felipe Oliveira/EC Bahia)VARがレッドカードの判定に影響を与えた。(Felipe Oliveira/EC Bahia)

VARがレッドカードの判定に影響を与えた。(Felipe Oliveira/EC Bahia)VARがレッドカードの判定に影響を与えた。(Felipe Oliveira/EC Bahia)

 ロシアW杯で導入された、ビデオ判定システム(英語名称video assistant refereeの頭文字からVAR)。ブラジルでもW杯後から、国内カップ戦での導入が決まっていた。
 ブラジル国内の試合で初めてVARが運用されたのは8月1、2日のブラジル杯準々決勝第1試合だ。ブラジル国内の試合では初めて、ビデオの映像を確認して、最初の判定が覆るという歴史的な事態が起こったのは、2日にバイーア州サルバドール市のフォンチ・ノヴァスタジアムで行われた、バイーア対パルメイラス戦だった。
 0対0で迎えた後半26分、左サイドからのパスをペナルティエリア内で受けたアルトゥールが、追走してきたバイーアのディフェンダー、グリゴーリに倒されると、ダロンコ主審はパルメイラスにPKを与え、さらにグリゴーリにレッドカードを提示、退場を宣告した。
 PKにも、退場にも納得のいかないバイーアの選手5人が主審を取り囲み、抗議。主審はその20秒後に別室のモニターで見ていたビデオ判定担当審判とトランシーバーで会話し、さらにその2分6秒後に映像を確認することを決めた。
 ビデオ映像を少なくとも6回チェックし、ビデオ審判との会話も続けた後、ダロンコ主審は、「PK判定はそのまま、グリゴーリへのレッドカードをイエローカード(警告)」へと判定を変更した。中断から試合再開までの時間は6分4秒だった。
 ちなみに、試合再開直後に行われたパルメイラスのPKのキックは、ブルーノ・エンリケがバーに当てて失敗した。
 また、VARは終了間際に起きた、パルメイラスのデイベルソンが退場となったプレーの確認にも使われた。
 この試合は0対0のまま終了し、ブラジル杯4強入りの切符は16日のリターンマッチの結果にゆだねられた。勝者が4強入りを決めるが、引き分けの場合は、延長戦は行われず、そのままPK戦に突入する。
 ブラジルメディアは、「W杯でのビデオ映像再確認に要した平均時間は79・6秒」で、それに比べて長すぎたとの論調があるが、初のVAR適用が判定ミスをきちんと訂正したと好意的に評価するメディアも多い。(2日付ブラジル各紙より)