外観の美しさか、内面の美しさか

 最近、メディアを賑わしている話題の一つに、デニス・セーザル・バロス・フルタード医師(通称ドクター美尻)や、パトリシア・シウヴィア・ドス・サントス氏(通称パティ美尻、マッサージセラピスト)らによる美容整形やその被害者の話がある▼フルタード医師とその母親がリオ市の自宅で行った手術後に女性が死亡して以来、手術後に健康被害が出た、術部が変形して人前に出られない、離婚した、命を落としたまで、次から次に被害者の話が出てくる。恥ずかしくて人にも話せず、泣き寝入りしている人もいるだろうから、報じられているのはほんの一部のはずだ▼少量なら使っても良いが大量に使えば危険な材料を使ったり、工業用のシリコンを使ったりと、モラルを疑う報道に眉をひそめた人も多いだろう。だが、この手の話の被害者は、美尻や豊胸に憧れる女性だけではない。「たくましい」と言われたくて必死にトレーニングに励み、友人と出かける事さえなくなったパーソナルトレーナーなどの話も根は同じだ▼一連の話に、「外観にとらわれ易い」という人の性を感じてしまうのはコラム子だけか? この手の犯罪がはびこったのは、コラム子から見れば信じ難い金額を投じ、命や将来を危険に晒す人達がいるからだ。だが、本当にそれで満足し、幸福感を味わえるのだろうか▼貧乏人の僻みかも知れないが、内面の美しさやたくましさを備えた人達の方が、よほど魅力的だと思うのは間違いだろうか。人を泣かせて贅沢に暮らす人や、外観や人の目にとらわれて暮らす人より、家族や友人と泣き笑いし、自分の背丈に合った生活をする人の方がよほど魅力的だと思うのだが。(み)