沖縄移民110周年=熱狂! 総勢2千人の大パレード=若手中心に琉球文化で魅了=「多数の子弟参加に感動!」

500人の一糸乱れぬ沖縄太鼓の演奏に沸いた

500人の一糸乱れぬ沖縄太鼓の演奏に沸いた

 約190万のブラジル日系社会のうち約1割を占め、その規模を遥かに上回る存在感を放つ沖縄県系社会――ブラジル沖縄県人移民110周年を迎え、3、4、5の3日間に渡り、記念祝典が各地で開催された。なかでも4日、ビラ・カロン沖縄県人会支部主催の「第16回おきなわ祭り」では、総勢2千人を越える記念パレードで記念祝典は最高潮を迎えた。若手を中心とした琉球芸能、文化が2時間半も次々と繰り広げられ、マンモス県人会の力を内外に示す格好となった。

 同祭の目玉となった記念パレードは、会館から同祭会場入口までの約150メートルの路上で行われ、沿道には日伯の小国旗を手にした観衆で埋め尽くされた。
 午後3時過ぎ、日伯両国旗、沖縄県旗の行進で華々しく幕開け。母県からの慶祝団一行が入場すると「セージャ・ベン・ビンド(ようこそいらっしゃいました)!」と掛け声が上がり、温かな拍手で迎えられた。
 パレードは約40の芸能団体から総勢2千人以上が参加、14隊で構成された。場内には国際色豊かなウチナーンチュが一堂に会し、日ポ英の3カ国語で各隊の説明が行われた。
 獅子舞、ミス琉装も練り歩いて観衆の目を楽しませ、母県市町村や米国、アルゼンチン、ペルー、ボリビア、台湾からの慶祝団、沖縄県人会傘下支部が各々の旗を持って入場した。
 琉球文化の隊では、五穀豊穣をもたらす神であるミルク「道じゅねー」で100人以上の可愛らしい稚児らが踊りながら入場。500人以上からなる琉球國祭太鼓、レキオス芸能同好会が一糸乱れぬ太鼓演奏をすると、拍手喝采に沸いた。
 最後は今年のサンパウロ市カーニバルで優勝したアカデミコス・ド・タトァペが登場。迫力あるデスフィーレに熱気は最高潮に。陽気なサンバのリズムに乗せられた観衆もステップを踏んで加わるなど熱狂の渦が巻き起こり大盛況で閉幕した。
 午後6時過ぎに始まった開会式では、来賓からパレードを賞賛する声が相次いだ。母県の新里米吉県議会議長は「琉球文化の深さ、強さ、広がりを感じた。これだけの県系子弟が琉球文化に親しんでいることに感動!」と興奮冷めやらぬ面持ちで語った。
 野口泰在聖総領事も「パワフルで熱気に溢れ、エネルギッシュな祭りだとひしひしと感じた」と手放しで賞賛し、「眞子内親王殿下もご来伯中は、4、5回は琉球太鼓をご覧になられた。ブラジルにおける沖縄県系人の存在感に感銘を受けられたのでは」と語った。
 同祭を終えて、新崎盛義マリオ実行委員長は「この祭りはいわば琉球文化の〃花の舞台〃。この祭りを通じて若者が続々と増え、同祭と相まって文化活動もさらに発展してきた」と振返り、「今回は百周年のパレード以上の規模となった。これだけの琉球文化の素晴らしさ、参加者の規模に胸が熱くなった」と笑顔を見せていた。

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 ビラ・カロン沖縄県人会支部は、ブラジル沖縄県人会傘下の41支部のなかでも最大で、500世帯の会員を有する。琉球國祭太鼓、レキオス芸能同好会、沖縄空手道剛柔流武道協会など、琉球文化団体の中心拠点が同地区に集中しており、県人会の大黒柱と言える存在だ。同祭は年々規模が拡大しており、今回は136店の出店が出展。サンマテウス支部の名物「ヒージャー汁(山羊の汁物)」は今年もウチナーンチュの人気を博し、2日間で約1千食が販売されたとか。