《サンパウロ市》古いアパートに倒壊の危機=門からの渡り廊下も落下

建物の前の土留めが崩れたために渡り廊下まで倒壊した集合住宅(Rovena Rosa/Ag Brasil)

建物の前の土留めが崩れたために渡り廊下まで倒壊した集合住宅(Rovena Rosa/Ag Brasil)

 6日から7日にかけ、サンパウロ市ヴィラ・マリアナ区の築約50年の古い集合住宅の土留めなどがひび割れ、崩れる事故が起き、倒壊の危機調査のため、住民に退去命令が出た。8日付現地紙が報じている。
 問題の集合住宅はニコラウ・デ・ソウザ街にある、地下4階、地上12階の「エディフィシオ・ノルマ」だ。このビルと隣の「エディフィシオ・エルナーネ」は約12メートルの土手にそって建てられ、土手の表面はコンクリートで覆われていたが、6日にノルマの前の土手の土留めにひび割れが起きはじめた。7日にはノルマの前の土留めが崩れ、道路と地階を繋ぐ橋(渡り廊下)が倒壊、駐車場の一部にも被害が出たため、二つのビルの住民に退去命令が出た。双子ビルには60ずつのアパートがあり、116世帯が住んでいる。
 住民達は6日に水道管が破裂したとか、先週、土留めの工事が行われたと言うが、防災局は雨水などがしみ込み、地盤が緩んだと見ている。
 防災局は事故後の立ち入り調査で倒壊の危険性はないと判断し、土手にビニールシートを張ったが、立ち入り禁止措置はしばらく継続される。
 住民によると、ノルマの前の土留めは30年ほど前にも崩れ、道路にも穴が開いた。エルナーネ前の土留めも15年ほど前に崩れたことがある。どちらも、今回同様、ひび割れからしみ込んだ雨水などで地盤が緩んだのが原因と見られている。