移民の父、上塚周平の半生描く=熊本市劇団、記念公演10月に

(左から)山南さん、坂本代表、プロミッソン公演を手伝う安永和教さん、孝道さん

(左から)山南さん、坂本代表、プロミッソン公演を手伝う安永和教さん、孝道さん

 プロミッソン上塚周平植民地百周年ならびにブラジル熊本県人会創立60周年の節目を祝して、熊本市の劇団夢桟敷(坂本真理代表)が来伯記念公演『万華鏡~百年物語』を今年10月に企画している。
 前身である旧劇団笠戸丸が、本紙の高木ハウル社長の招聘で移民百周年の翌09年に来伯公演を行ったので、今回で2度目となる。
 新作の『万華鏡~百年物語』は、皇國殖民会社の現地代理人として第一回移民船・笠戸丸で渡航した上塚周平の半生を、移民船最後の生存者であった中川トミさんの視点から描かれる。
 現代熊本を舞台に、夏祭りで万華鏡を覗き込むことから、笠戸丸がサントスに着港した1908年に時空を遡り、物語が始まる。制作演出を手掛けた山南純平さん(山口、66)は「トミさんが語るような形で展開される。不思議な舞台美術になるはず」という。
 先月22日の上塚周平植民地百周年式典に出席した坂本代表、山南さんは「伝記だけでなく、安永忠邦さんやプロミッソンの人々を通じて垣間見えてきた人物像も舞台に反映させている。光も影もある上塚さんの人間性を伝えられれば」と意気込みを語った。
 公演は、10月6日午後7時半からプロミッソン市劇場、10日はブラジル熊本県人会館ホールで開催予定(時間未定)。入場料無料だが、1キロの保存食を持参すること。