《ブラジル》パウリニアの製油所で爆発事故=死傷者はゼロだが生産停止

爆発事故が起きる前のレプラン製油所に乗りつけたタンクローリー(Rovena Rosa/Agência Brasil)

爆発事故が起きる前のレプラン製油所に乗りつけたタンクローリー(Rovena Rosa/Agência Brasil)

 サンパウロ州内陸部パウリニアにある、ペトロブラス社最大のレプラン製油所で20日に爆発事故が発生。石油精製は全面的に中止されたが、21日には従業員も勤務に復帰と21日付現地紙、サイトが報じた。

 レプラン製油所での爆発事故は、20日午前1時頃、発生した。最初の爆発は、ゼオライト(沸石)などの触媒を利用して原油を分解、蒸留してガソリンなどを精製するシステムの一部の分解作業用タンクで、周辺住民は爆発の瞬間に強い揺れを感じた。爆発は3度起き、蒸留ボイラーも多くのパイプが損傷した。

 また、爆発後には火災も発生。製油所の煙突からの炎はいつになく高く上がり、遠くからも観察できたが、火災そのものは午前2時頃には鎮火したという。

 サンパウロ州の石油関連企業の組合によると、爆発事故が起きたタンクはメインテナンスが終ったばかりだが、保守作業中も部品交換などを必要としていたという。原油と触媒が500度程度で接触して分解反応を起こすタンクは、石油精製工場内でも重要な施設だ。一方、パイプの損傷が生じた蒸留ボイラーも、触媒による接触分解と並行する蒸気分解に不可欠な施設であるため、これらの施設修復までは、石油精製が中止される。

 同製油所は事故直後、生産作業の全てを中止。保守作業員と、保健・環境・安全(SMS)関連部門の従業員、新たな爆発を避ける意味を込めた燃料開放のための出荷作業用オペーレーター以外は全員帰宅させた。21日は損傷した施設を使用しない作業を行うべく、従業員も出社した。

 ペトロブラス社は20日、爆発事故で火災も発生したが、既に鎮火した事、爆発の原因は調査中で、石油精製は当面中止する事などを文書で発表した。施設の損傷の度合い把握と事故原因の解明などのための委員会も設置された。

 市場への燃料供給は在庫放出の形で行われており、事故の影響は出ていない。同社では、同製油所の在庫が尽きても他の製油所から燃料を供給するため、燃料値上げなどはないとしている。

 サンパウロ州環境浄化技術公社は、消火作業に伴って生じた汚染物質を含む水によるアチバイア川の水質汚濁についての調査を開始した。