立ち上がれなくてもステージに サンバの女王ベッチ、ベッドで寝たまま熱唱

Carnaval Rio 2018 – Desfile na Sapucaí – Mangueira – Beth Carvalho – Desfile das Campeãs- Fernando Grilli | Riotur

 ブラジルのサンバの女王のひとり、大ベテラン女性歌手のベッチ・カルヴァーリョ(72)が1日、リオ市で開催した特別公演で、立ち上がれないほどの体調不良の中、ベッドに寝そべりながら熱唱を披露し、話題を呼んだ。

 リオのKMデ・ヴァンタージェン・ホールで行われたコンサートは、彼女の名作アルバム「デ・ペー・ノ・ション」の発売40周年を記念して行われたもので、サンバ界の大物バンド、フンド・デ・キンタルをバックに従えるという、特別なものだった。

 ただ、ベッチはこの日、ステージに用意されたベッドに座ったまま公演に登場。「今日は、あまり立っていられないのよ。もう少ししたら横にならなくちゃいけなくて」と客に説明した。

 ベッチは2009年頃から脊椎の仙骨に入ったひびの影響で、背中に立ち上がれないほどの痛みを感じることが広く知られている。7月29日に行われた、ルーラ元大統領の釈放を求めるイベントでも、車椅子で歌を披露しており、こうした事情はすでにファンも承知のことだった。

 ベッチが座った状態で歌ったのは1曲だけで、2曲目からはベッドに横になりながら歌った。

 途中、ベッチが観客に「大丈夫? ひどくないかしら?」と聞く一幕もあったが、観客は「ゲレイラ(女戦士)!」と掛け声をあげ、彼女の奮闘を称えた。

 彼女は横たわったままで名作アルバムの再現を行うコーナーにたどりつくと、さらに、アルバムの曲順に見事に歌った。そして気がつけば、彼女は全25曲を予定通りに歌いきっていた。

 ベッチは日本でもサンバのファンには知られた存在で、日本公演も数度行っている。(2日付G1サイトより)