大耳小耳

 俳誌『朝蔭』第466号が8月に刊行された。《冬の朝気合をかけて体操会》(不破吏子)は冬場のラジオ体操だろうか。アマゾン吟行の連作のひとつ《紅鶴は原始の森を染めて翔つ》(佐々木君代)はフラミンゴの事かと思って調べると、たしかに「和名ベニヅル(紅鶴)」とある。だが、よく読むと「ツル目とは近縁ではない」とも。ツルそっくりだが違うらしい。《飛び翔ちしアヌーに驚く霧の牧》(宮原育子)も鳥を詠ったもの。アヌー(オオハシカッコウ)はアメリカ大陸にしかおらず、開けた土地や耕作地に生息する中型の鳥。鳴き声がにぎやかで、鳴きながら霧の中から突然飛びたては驚くこと必至。《客帰り残る疲れの移住祭》(梶山米子、バストス)は文協の舞台裏を支える婦人部ならではの作品か。お疲れさまでした!