AOTS=島袋氏、新会長に就任=中小企業進出支援に意欲

(左から)島袋会長、平井評議員会会長

(左から)島袋会長、平井評議員会会長

 一般財団法人「海外産業人材育成協会」(AOTS)ブラジル同窓会の新会長に島袋栄喜氏、評議員会会長に平井パウロ氏が就任し、挨拶のため12日に本紙を訪れた。
 主に開発途上国の産業人材を対象とした研修及び専門家派遣等の技術協力を推進する人材育成機関として、1959年に設立された同会。現在、世界43カ国に同窓会組織を有する。
 当地では70年代に活動が始まり、これまでに2千人以上の研修生を送出してきた。当初は品質・生産性向上技術の取得を主目的とした約1年間の研修事業だったといい、平井評議委員長は「当地の各産業界で品質生産管理を牽引してきたのは、AOTSを通じた日本方式だ」と話す。
 現在は、日本式経営等を学ぶ約10日間の研修事業に移行し、日本の中小企業進出支援も一つの柱となった。
 島袋会長によれば「日本の中小企業は世界に通用する技術を持ちながら、海外進出している割合は欧米の半分」というのが現状。そんななか、近年では日本貿易振興機構に加え、国際協力機構も民間連携事業を通じ、中小企業の海外進出促進が進んでいる。
 「研修事業があったからこそ今がある。日本には恩義を感じている。当地では2千人を超える人材が、様々な分野で活躍している。そのネットワークを活かし、他の援助機関にはできない中小企業と現地側との親密な関係作りの手助けなど、活動を広げていきたい」と見通した。
 なお、同ブラジル同窓会及び平井パウロ氏の長年の功績に対し、移民110周年記念の「笠戸丸表彰」が、先月24日に授与された。