《ブラジル》ロライマ州=ヤノマミ族が医療関係者ら21人を軟禁=新生児2人の死亡事件受け

ロライマ州に住むヤノマミ族の集落の一つ(参考映像、Leonardo Prado/PGR)

ロライマ州に住むヤノマミ族の集落の一つ(参考映像、Leonardo Prado/PGR)

 ロライマ州北部のアウト・アレグレ市スルクク地区に住む先住民のヤノマミ族が16日、ヤノマミ族特別衛生管区(DSEI―Y)コーディネーターの退陣と医療サービス改善を求め、先住民医療特別局(Sesai)職員と小型機3機を人質に取る事件を起こしたと17、18日付現地紙サイトが報じた。
 この事件は、わずか10日の間に同族の新生児2人が死亡し、もう1人も重体に陥って病院に運ばれた事を受けた抗議行動だ。人質となった医療関係者や小型機の操縦士は計21人で、同州ヤノマミ族人権協会のジュニオル・エクラリ・ヤノマミ会長によると、医療関係者らは現地を離れる事を禁じられたが、暴力行為や抗争、脅迫といった事実はなく、負傷者も出ていないという。
 同氏によると、先住民協会リーダーらは、16日午後、ラジオを通じて流れた情報で、事件の事を知ったという。
 ロライマ州とアマゾナス州には、3千人を超えるヤノマミ族が住んでいる。同族の間では、マラリアの患者が急増しているのに、遠隔地のコミュニティでは90日間もヘリコプターが来ない状態が続いていたという。
 抗議行動を起こしたのは同州北部にある15のコミュニティの人達で、DSEI―Yのロウジクレル・デ・ジェズス・オリヴェイラ氏はろくに仕事もしない上、先住民との対話を保とうとする姿勢がなく、先住民の要請にも応じようとしないという。
 Dsei―Yは17日に総弁護庁と、18日には連警や国立先住民保護財団(Funai)と連絡をとり、Dse―Y職員と先住民リーダー各1人を現地に派遣した。