《ブラジル》ロライマ州のベネズエラ人230人が南部に=停電頻発でベネズエラの電力購入停止

空軍機に乗り込む直前のベネズエラ人達(Antônio Cruz/Agência Brasil)

空軍機に乗り込む直前のベネズエラ人達(Antônio Cruz/Agência Brasil)

 ベネズエラ国内での政治的、経済的、人道的危機のため、同国からの移民や難民の流入が続くロライマ州で25日、移民230人の国内移送が行われたと25日付現地紙サイトが報じた。
 今回の移送先はパラナ州とリオ・グランデ・ド・スルで、前者はクリチバ90人、後者は、ポルト・アレグレ70人、カノアス21人、エステイオ9人、カショエイリニャ40人となっている。大半は家族連れだが、カショエイリニャは独身または単身の男性だけを受け入れた。
 ブラジル空軍は通算17回飛行機を出しており、今回の移送は第10弾目。今回も含めると、総計2206人を国内各地に移送した事になる。
 ブラジル政府は24日も、ベネズエラ人が収容されている施設に40トンの牛乳を提供した。納品に立ち会ったアウベルト・ベウトラメ社会企画相は移民とも言葉を交わしており、「連邦政府や、自分達を受け入れてくれたブラジル国民とその連帯感への感謝の念が溢れていた」とコメントした。
 ブラジルを含む、南米諸国への移民流出を招いたベネズエラ。その経済的危機のため、同国内で停電が頻発している事は周知の事実だが、電力供給の不安定さは、同国から電力を購入しているロライマ州にも及び始めた。
 同州で起きた広域停電は今月だけで34回に及び、年頭からでは昨年1年間のほぼ倍の65回に達している。ベネズエラからの電力供給は続いているが、エレトロブラスは同国からの電力受電を停止。16日午後からは、同州内の四つの火力発電所による電力供給のみとなっている。ロライマ州はブラジル全土をカバーする電力供給網が届いていない唯一の州で、隣国からの電力供給に頼っていた。