大分県人会、三つの節目祝う=創立65、留学50、研修40周年=「留学・研修制度の存続を」

65、50、40のロウソクを立てケーキカット

65、50、40のロウソクを立てケーキカット

 ブラジル大分県人会(四篠玉田イウダ会長)は先月29日、サンパウロ市の宮城県人会館で県人会創立65周年、留学生50周年、研修員40周年記念式典を開催した。式典には安藤隆副知事、井上紳史県議会議長などの母県からの来賓7人のほか、大分県人インターナショナル会員ら7人、野口泰在聖総領事、安部順二名誉総裁(連邦下議)など約300人が参加し、盛大に節目を祝った。

 まず両国歌斉唱が行われ、インターナショナル会員の歌手平野トシさんが「君が代」を先導した。先没者への黙祷後、来賓が紹介された。
 四篠会長は挨拶で「本日の来場者、手伝いの人に感謝。留学生制度は50周年を迎えたが、参加者はみな母県を好きになって帰国する。どうか制度を大切にしてほしい」と県費留学生・研修生制度の継続を訴えた。
 安藤副知事は「110年前に移民した日本人の努力が日伯友好の礎となり、日系人が大分県に愛着を感じてくれて嬉しい。四篠会長の言葉を知事に伝えたい」と語り、祝辞とした。その後広瀬勝貞県知事の祝辞を代読した。
 続いて祝辞に立った井上紳史議長は自らの出身である日田市から、1913年に13人の家族が渡伯したことに触れ、「会場に豆腐作りで儲かったカジワラさんはいますか?」と呼びかけ会場を和ませた。
 祝辞では「ブラジル社会で地位を築き尊敬されていることに、衷心より感謝、敬意を示したい。来年は大分県でラグビーW杯が開催される。会場でブラジル国旗も多く見られるのでは。大分県人会の発展を願い、新しい交流を促進していきたい」と語った。
 その後、大分県より日系4団体に記念奨励金の贈呈、各種顕彰、県人会と大分県で記念品を贈りあった。安藤副知事から県政概要について講演が行なわれた後、祝賀会となった。
 祝賀会では安藤副知事、井上議長、四条会長、野口総領事で鏡割り、ケーキカットを行なった。平野さんの歌謡ショーやサンバショーで会場を盛り上げた。
 平野さん(57、福岡県)はニューヨーク市在住、「トシ・カプチーノ」として舞台評論家として活躍する傍ら、キャバレーショーを開催し昭和歌謡などを披露している。「大分県人とは仲が良く、今回もニューヨークにある大分県人会から紹介された。先駆者の方々は在外邦人のセンパイとして尊敬する」と同県人に想いを馳せ、「また歌声を披露しに再来伯したい」と語った。
 1990年に研修生として大分県を訪問した時松アナさん(55、二世)は「私達も大事なイベントを手伝えて嬉しい。母県だけでなく、祖先にも想いを馳せる機会になった」と語った。

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 大分県人会創立65周年記念式典に参加した大分県人インターナショナルの薬師寺忠幸さん(41、津久美市)によると、同会はFacebookで大分県になんらかの関連がある人の参加を受け付けており、現在は会員約1350人だそうだ。現地の県人との交流も行なっており、在外県人が帰国した際に会うなど、新しい友人ができるそう。「外国に住んでいると連絡を取るような母県の友人は減っていくが、インターネットを通じて県人との交流ができる」と語った。他県人会でも、同様の交流グループをインターネットで作るのもいいかも?