上塚周平描く演劇、いよいよ明日=劇団員到着、9日プロミッソンも

来社した一行

来社した一行

 【既報関連】熊本市の劇団夢桟敷(坂本真理代表)の一行16人が4日、いよいよ到着した。〃移民の父〃上塚周平の生涯を描いた演劇『万華鏡~百年物語』の公演は、6日午後3時からサンパウロ市熊本県人会ホール(Rua Guimaraes Passos, 142)、9日午後7時半からプロミッソン市劇場(Rua Dante Roque, s/n)で行なわれる。劇団員4人が来社し、公演にむけた意気込みを語った。
 二回目となる今公演では、最後の笠戸丸移民であった中川トミさんの目を通じて、入植百年の歴史を追体験してゆく形で構成される。09年に来伯した4人を含め、計16人が舞台に立つ。
 今公演は先月に熊本でもすでに実施された。演出の山南純平さんは、「時代の変化も影響しているが、日本では移民への関心は薄い。だが、その歴史には未来に向けた教訓がある」と話す。
 坂本代表も「現代では移民と言えば難民を連想するかもしれない。でも日本も嘗ては国策として移民事業をしていた。国際化が進む現在だからこそ、今日的意義があるはず」と使命を語った。
 今公演では、大掛かりな舞台装置も見所の一つで、それを持ち込むのに一苦労があったという。
 30代劇団員女性は「まるで影絵のような美しい演出になる」と話し、もう一人の劇団員女性は「金策に苦労し、植民地を背負ったリーダーの苦悩。その人間的な側面も表現できれば」と見所を語った。
 山南さんは「上塚は世渡り上手でないかもしれない。でも、めげずに植民地建設に邁進したまさに〝肥後もっこす〟だった」と話し、坂本代表も「前回公演の際、温かく受入れてくれたブラジルの人々の思いに強く動かされた。是非、多くの人に身にきて頂ければ」と呼びかけた。
 入場無料。一キロの保存食を持参すること。なお、保存食はこどもの園に寄付される。