パラグアイでブラジル人密売者の救出阻止=ブラジルと同国の警察が協力し=2日にはトンネルも発見

地中に隠されていた武器や弾薬(Divulgação/PF)

地中に隠されていた武器や弾薬(Divulgação/PF)

 ブラジル連邦警察とパラグアイの国家麻薬犯罪防止局が4日、パラグアイの首都アスンシオンで収監中のブラジル人の麻薬密売者マルセロ・フェルナンド・ピニェイロ・ヴェイガことマルセロ・ピロット(以下、ピロット)救出作戦を企てていたブラジル人5人を逮捕、大量の武器も押収したと5日付ブラジル国内紙サイトが報じた。
 ピロットはリオを本拠とする犯罪組織のコマンド・ヴェルメーリョ(CV)の首領の一人で、07年から逃亡生活を行っており、12年末にパラグアイに移った。同国では偽名を使い、6カ月毎に住みかを変えて行方をくらませていたが、昨年12月に同国で逮捕された。彼の役目は麻薬や武器を調達してリオに送る事で、活動基地として、同国内の農園を二つ以上利用していた。
 4日に逮捕されたブラジル人は男性4人と女性1人の計5人で、彼らが借りていたアスンシオン市内の民家3軒からは、地中に埋められていた大量の武器や弾薬も押収された。武器の中には、小型機や装甲車にも穴を開ける能力を持つ50口径の機関銃も含まれていた。
 連警は、南米地区の麻薬密売組織に対抗するには、国際協力が不可欠と改めて強調した。リオ市の連警監察局内には、パラグアイ、コロンビア、ペルー、ボリビア、アルゼンチンの警察が参加する国際警察協力センターが設けられている。
 パラグアイとの関係では、2日に発見された12メートルのトンネルにも言及する必要がある。こちらは、マット・グロッソ州ポンタ・ポランと国境を接するペドロ・フアン・カバレロ市の民家2軒を使い、同市内にある同名の刑務所に向かうトンネルを掘り進めていたものだ。
 9月半ばに匿名通報を受けた警察は、犯罪者達が掘り出した土を捨てるために借りた家で、ブラジル人のアレッシャンドレ・レギザモン容疑者を逮捕。同容疑者は別の民家も借り、パラグアイ人3人を使って3週間前から、刑務所まで全長200メートルのトンネルを掘らせていた。
 パラグアイ警察は、犯罪者達はこのトンネルを使い、サンパウロ州に本拠を置く犯罪組織の州都第一コマンド(PCC)の首領の一人で、16年から同刑務所に収監されているロニイ・ペレツ・バルボーザ容疑者らを救出する予定だったと見ている。
 同刑務所には、ブラジル人60人以上を含むPCC構成員が少なくとも80人収監されているという。
 レギザモン容疑者らは4日に告発されており、近日中に司法当局に調書が送られる見込みだ。