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世界銀行=ブラジルの人的資源投資レベルは世界81位=「子供への投資が国の将来作る」と警鐘

ブラジル北部パラー州の学校の様子(ASCOM/IOE)

ブラジル北部パラー州の学校の様子(ASCOM/IOE)

 世界銀行が、各国の人的資源への投資をランク付けしたところ、ブラジルの人的資源への投資レベルは157の国と地域中、81位だった事がわかった。
 このランキングは11日からインドネシアで開催される、国際通貨基金(IMF)と世界銀行グループの年次総会で正式発表される。
 ブラジルはラテン・アメリカでも、チリやアルゼンチンなど、近隣8カ国にも遅れをとり、新興国同士の比較でも中国やロシア、トルコにも劣っている。現状では、ヨルダン川西岸地区、フィリピン、コソボ共和国などと同等の評価だ。
 世界銀行はこの調査の実施と公表の目的を、人的資源への投資は、技術や機械への投資と同じくらい国家の発展のために重要である事を知らしめる事としている。
 世界銀行の教育部門長、ハイメ・サーヴェドラ氏は、「この会議には世界中から財相が集る。教育省や保健省だけの問題ととらえられがちな人的資源投資は、財務省の問題でもあるとの意識を持ってもらいたい」と語った。
 年次総会で公表されるランキングは、新しく考案された指標を基に作成された。新たな指標は、「良好な医療環境に恵まれ、質の高い教育を受けた子供は、身体的にも知的にも、感情的にも健やかに成長できるから、就労年齢 (同調査では18歳) に達した時は、個々人が持つ生産能力を十分に発揮できる準備が整っている」という考えに基づいて設けられた。
 人的資源投資指標化の基本となるのは、「5歳になるまでの死亡率」と「教育レベルや成果」、「幼少期と成人期の健康レベル」の三つのファクターだ。
 各データは集計後、1~0の間で指数化される。1に近いほど、人的資源投資レベルが高いと評価される。1位のシンガポールは0・88で、81位のブラジルは0・56だった。
 ブラジルの場合は、3要素の中の「教育レベル」がもっとも大きく足を引っ張った。
 今日ブラジルで生まれた子供の平均就学年数は11年8カ月で、1位のシンガポールの13年11カ月や、2位の韓国の13年7カ月と比較すると大きく見劣りする。就学年数の差に、教育の質も加味すると、ブラジルと教育レベルの高い国々の差はさらに広がる。
 世界銀行は、人的資源投資ランクに関する報告書の中で、国の将来の発展は今採っている政策にかかっている事を強調するため、新たなランキングの作成と発表を行う事を決めたと記している。(11日付フォーリャ紙より)

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