《ブラジル》高速道での事故で家族が死亡=生き延びた6歳児が2日後に知らせる

9日夜行われた、家族3人の通夜の様子を伝えるG1サイトの記事の一部

9日夜行われた、家族3人の通夜の様子を伝えるG1サイトの記事の一部

 サンパウロ州カンピーナス市在住で、ゴイアス州の温泉地に旅行していた家族が、7日に消息を絶ち、親戚や友人が捜索願を出していたが、9日になって、ミナス・ジェライス州の高速道脇にいた6歳男児が救助されたおかげで、家族3人の遺体と車が発見された。
 亡くなったのは、バプテスト教会牧師のアレッサンドロ・モナレ氏(37)と妻のベウキス・ダ・シウヴァ・ミゲル・モナレ氏(35)、息子のサムエル・ダ・シウヴァ・ミゲル・モラレ君(8)で、助かったのは6歳のベンジャミン・ダ・シウヴァ・ミゲル・モラレ君だ。
 一家はベウキス氏の誕生日(5日)に合わせ、ゴイアス州のリオ・ケンテに行って週末を過ごしたが、7日朝、「今からサンパウロに戻る」と親戚に連絡を入れた後、消息を絶ったという。
 一家が消息を絶った事は、礼拝の時間になっても牧師が戻ってこない事を不審に思った教会員らが近隣教会の牧師や親戚に連絡を取った事で明らかになった。ゴイアス州カウダス・ノヴァスに住む友人の軍警が確認したところ、一家は7日朝8時半頃にホテルを出ていた事がわかり、ミナス・ジェライス州アラグアリの州道路警察に通報。軍警は自らも高速道をたどり、一家を捜した。
 アラグアリ市の消防隊も、道路警察や州道管理のコンソーシアムと協力し、捜索に加わったが、7日は、同日朝、ミナス州の州道223号線114キロ地点を通過した事しかつかめなかった。
 軍警による捜索は8日も続き、無人機も導入されたが、家族の行方はつかめないままだった。
 事態が動いたのは9日朝で、国道50号線を走行中に道路脇にいた男児に気付いたトラックの運転手が男児を救助した。ベンジャミン君は、50号線を管理しているコンソーシアムの医療班の診察を受けた後、ウベルランジア連邦大学付属クリニカス病院に運ばれた。
 同君はショック状態に陥っていたが、警官に名前や年齢をはっきりと伝えた。警官が同君に家族はどこにいるのかなどを尋ねたところ、家族が事故に遭った事などを語ったという。
 これを聞いた警察は、同君が見つかった現場付近を捜索し、道路脇の茂みの陰の深みに落ちている車を発見。家族3人の遺体も回収した。
 同君はクリニカス病院で観察入院後、9日夜、退院。10日未明にカンピーナス市に住む、母方の祖父母の家に着いた。
 亡くなった3人の通夜は、9日夜、アレッサンドロ氏が牧していた教会で行われた。また、遺体は10日朝、カンピーナス市内の墓地に埋葬された。通夜や埋葬には数百人が参列したが、ベンジャミン君は祖父母の家で休息していた。
 祖父によると、同君はホテルでの事は良く覚えているが、事故の事は余り覚えていないという。(9、10日付G1サイトより)