《ブラジル》偽札発覚で銃撃戦に発展=共に警察を用心棒に雇う=捜査当局「選挙の裏金の疑いも」

サンパウロ州市警の紋章(参考画像・Alexandre Carvalho/A2img)

サンパウロ州市警の紋章(参考画像・Alexandre Carvalho/A2img)

 【既報関連】ミナス州ジュイス・デ・フォーラ市で19日に発生し、1人の死亡者と2人の負傷者を出した、サンパウロ州市警とミナス州市警による銃撃戦事件の捜査が少しずつ進展していると、23、24日付現地各紙・サイトが報じた。
 サンパウロ州監察局の捜査によると、同州在住の企業家フラヴィオ・ギマランエス氏は、米ドルをレアルと交換するためにジュイス・デ・フォーラ市内に行くことになり、警備会社と契約した。その警備会社がサンパウロ州市警9人を雇い、全員が小型機と車でジュイス・デ・フォーラ市まで同行。ギマランエス氏と警備会社社長のジェロニモ・レアル・ジュニオル氏、もう一人の企業家ロベルト・ウィバレ・ジュニオル氏の警備についた。
 ギマランエス氏の米ドルとレアルを交換する相手は、ミナス州在住の企業家アントニオ・ヴィレラ氏で、彼も、取引の場に護衛としてミナス州市警4人を同行させていた。
 ヴィレラ氏が持参した1400万レアル相当の100レアル札の束の一部が偽物ではないかと、ギマランエス氏たちが気付いたため、銃撃戦が発生し、ミナス州市警のロドリゴ・フランシスコ氏が死亡。足に弾を受けたヴィレラ氏と腹部に弾を受けた警備会社社長のレアル・ジュニオル氏が負傷した。
 ヴィレラ氏はすでに退院しているが、レアル氏は重傷で入院中だ。レアル氏には、フランシスコ氏を殺害した容疑ももたれている。
 現在無期限拘留扱いとされているのは、ブルーノ・アルヴェス警部、ロドリゴ・ダ・コスタ警部を含むサンパウロ州市警4人と、ヴィレラ氏、レアル氏だ。ギマランエス氏は、逮捕されていないが、国外に出る事を許されていない。
 銃撃戦の場にいたミナス州市警3人とウィバレ・ジュニオル氏、銃撃戦となる前に現場を離れていたサンパウロ州市警5人は逮捕こそされていないが、捜査対象となっている。
 現在までの捜査は、サンパウロ州とミナス州の検察、連邦検察、両州の保安局が行っているが、「偽札絡みで殺人にも及んだ、組織的な重大犯罪で、二つの州の警官が関与していた」ため、連邦警察にも協力が要請されている。
 また、ギマランエス氏は22日に「ミナス州に行ったのはドルとレアルの両替のためではなく、融資を申し込むため。ヴィレラ氏に騙された」と語っている。実際、現場で米ドル札は見つかっていない。
 また、捜査当局では「この時期に(偽札とはいえ)大量の現金を使ったやり取りがあるのは不自然」として、選挙の裏金(カイシャ・ドイス)だったのではないかとの嫌疑もかけているが、これに関してもギマランエス氏は、「選挙とは一切関係ない」と供述しているという。