■ひとマチ点描■今上陛下が訪問された記念碑

記念碑と井上さん

記念碑と井上さん

 セアーザ内の庭園に高さ3メートルほどの立派な石碑が建つ。開場した翌年の1967年、当時皇太子だった今上陛下のご訪問に併せて建立された記念碑だ。
 労働組合の事務局長を務めた井上久弘さんは、その場面に立ち会っていた。「雨が降っているからと、随員が陛下の後ろから傘をさしていた。だが、陛下はわずかな雨と気になさらず、むしろ傘を閉じて立てかけさせ、そのままお帰りになられた」と述懐。記念碑序幕に真摯な態度で臨まれた陛下のご様子を、昨日のことのように思い出す。
 数年来、セアーザは移転話が取りざたされており、井上さんはその時には記念碑も移転してほしいと心配する。「日本人がここで活躍したことの証でもある。ぜひ記念碑も移転を」と強調した。(陸)